まるでアート……読むのではなく、見て体感するミライの「新聞紙」

3Dで体感する新聞紙──。

そんな言葉を聞いたら、はじめは意味が分からないが、少なからず興味が湧きそうだ。

9月7日〜11日にかけてオーストリアのリンツで開催されたメディアアートの祭典「アルスエレクトロニカ・フェスティバル2022」に、「日本経済新聞社」が興味深い展示をおこなった。

それが、冒頭で述べた3Dで体感する未来の新聞「DATASPACE」だ。

これは、今年2月から世界的なニュースになっているロシアによるウクライナ侵攻の影響にフォーカスした内容を具現化したもの。

侵攻の影響による資源価格や株価、難民数といったデータを幅16m、高さ9mの大空間に3Dビジュアルとして投影。

たとえば、食品の価格変化についてはグラフのパネルが崩れ落ちるような表現をしていたりと、活字を読んで情報を取り込むのではなく、視覚で“観て”情報を取り込むようなつくりになっている。

一種のアートとも取れるこの作品は、データに基づいたニュースアートで表現し、「感じ」「考え」「問い」「対話する」一連の行為を見るものに伝える「アーティスティク・ジャーナリズム」と呼ばれる新しいメディア表現なのだ。

今はまだ、この表現自体が“興味深いニュース”という感じだが、近い未来の新聞紙のスタンダードはこういったのもになってくるのかもしれない。

© 日本経済新聞/YouTube
Top image: © Ars Electronica Futurelab
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。