【こころの病】アメリカ、 8歳以上に対し「不安症かどうかの診断」を求める
うつ病を抱えている人の累計は、世界に3億2000万人以上いるというWHO(世界保健機関)が公表したレポートは記憶に新しい。新型コロナウイルスの世界的蔓延を経て、きっとその数はさらに増えていることだろう。
さて、そうした心の病を未然に防ごうと、先日、「U.S. Preventive Services Task Force(アメリカ合衆国予防医学専門委員会)」が、8歳以上の子どもに対し不安症に関するスクリーニングをし、12歳以上に対してはうつに関するスクリーニングをするよう、プライマリケア医に勧告した。
医学誌『Journal of the American Medical Association』でも同じ内容を記載した論文が公開されている。
同委員会によれば、背景には自殺を未然に防ぐ狙いがあるとのこと。明確なメカニズムは明らかになっていないそうだが、小児および青年期に不安症やうつを抱えていると、成人期の自殺のリスクが高まってしまうからなのだとか。
また、同委員会はこの勧告を通じて、精神疾患が発見されずに治療を受けられない子どもの数を減らしたいという旨も発表している。
見方を変えれば、子どもは8歳から不安症を抱える可能性があるということ。しっかりと子どもと向き合って、なるべく早く異変に気づく努力をする必要がありそうだ。
Reference: U.S. Preventive Services Task Force Issues Final Recommendation Statements on Screening for Anxiety, Depression, and Suicide Risk in Children and Adolescents / U.S. Preventive Services Task Force, Screening for Depression and Suicide Risk in Children and Adolescents / Journal of the American Medical Association
Top image: © iStock.com/mmpile