意外にもアジアじゃない、世界最古の「卍」がこちら!
どうも、「おやつなトピック」初となる連番「スピリチュアルまんじトピック」第二弾です!笑
前回は、流行語でありながら意外と知らない「卍」のとってもスピリチュアルな由来についてお話ししました。
今回は、人間の本能に迫る、世界の文明に遺された「卍」の数々をご紹介していきたいと思います!
世界最古の卍は紀元前1万年!?
「卍」と言えば、日本もそうですが中国やインドなどのアジア圏の宗教のイメージが強いですよね。
前回ご紹介した通り、通説ではヒンドゥー教発祥とされているので間違いではありません。ただ、不思議なことに、太古から卍の形は世界中の人類に“視えて”いたようで、あらゆる古代遺跡から見つかっています。
現在確認されている「世界最古の卍」はアジアではなく、メジナ=現代のウクライナで発見されたものだそうです。
少しわかりづらいですが、背中に彫ってあるやつですね。
これは象牙を掘った鳥の置物で、作られたのはなんと旧石器時代、今から1万年以上も前だそうです!
この頃はまだ国家のない時代なので、これが厳密な宗教にまつわるものかは不明ですが、壁画などの他の芸術品と同じく、神や超自然の存在を意識して作られたのは間違いないでしょう(アメリカの芸術評論家スーザン・ソンタグは、「本来の芸術とは“魔術的”なもの」と語っています)。
1万年以上も続いているなんて、実は卍って、世界で「もっとも息の長い記号」なのでは?
次もすごいです(迫真)。
こちらは大西洋を超えたカリブ地域、古代メキシコで描かれた卍の模写です。
先古典期にあたる、オルメカやマヤ文明の時代の模様と思われます。当時(というか15世紀末まで)アメリカ大陸は他の大陸との交流がなかったはずですから、彼らも同じように卍を“視た”ということでしょう。
お次は、みなさんにも少し馴染みのありそうな例をご紹介します。
この連続するパターンは、皆さんもどこかしらで見たことがあるのではないでしょうか。ヨーロッパで頻繁に使われていた、「メアンドロス模様」などと呼ばれるパターンの一種です。
うずまき状のものが主流ですが、派生で「卍」の形をしたものもあるんですね!
古代ギリシア・ローマの時代からよく使われていたようで、筆者はロンドンの「Victoria & Albert Museum」の古典芸術コーナーにて大きなレプリカを見たのを覚えています。
そして何よりこのパターン、あるファッションブランドのアイコンになっていませんか?
そう、イタリアの大人気ブランド「ヴェルサーチ」のアイコンですね!
コレクションにおいて、ほぼ毎年使われるパターンで「イタリアン・バロック」をテーマとする同ブランドのアイコンです。
バロックは古代ギリシア・ローマに装飾性を足したような様式ですから、ヴェルサーチのパターンもある意味、卍(まんじ)と言えると思います。笑
結論:たぶん、「卍」って本能
さて、これまでくどいくらいお伝えしたように、現代語の「まじまんじ」は、実は1万年前から同時多発的に世界中で使われていたものでした。
こんなに多様な言語と地域を超えて同じ形が使われるなんて、なんだか人間の本能に焼きついているもののように感じますね。
もしかしたら、若者が「マジ卍!」と言っているのは、本能的な反応だったりして……?笑
スピリチュアルな卍は、たとえ文明が滅んだ後でも、未来の人に受け継がれて視えていることでしょう──
<おまけ>
これは、ゲームソフト『Bloodborne』に出てくる卍。
カルト的な宗教をテーマとしたダークで壮大な世界観が魅力の同ソフトは、80年代のラヴクラフトの著作『クトゥルフ神話』をはじめ、既存の宗教や神話をモチーフにした要素が数多く登場します。
上の画像は「カレル文字」といって、人には聞こえない超常的な存在の声を、視覚として脳に焼き付けることで特殊な効果を発揮するものです。
前回お伝えしたように、古代の卍も幻視によって生まれ、「吉兆」や「力」を呼ぶために祀られたわけですから、その効能は近いと言えます。
ただ、Bloodborneの世界では、こういうものが視えるとだいたい狂って、理性的な人間ではなくなってしまうのですが……笑
やっぱり、サイケデリックなのか??
「おやつなトピック」って?
Z世代のインターンから、この道うん十年のベテラン編集者まで、TABI LABO“ナカの人”がリレー形式で担当するコラムです。
「おやつなトピック」
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