人生の「最高の締めくくり方」とは?安楽死を描いた映画『すべてうまくいきますように』
もしも、突然大切な家族から「安楽死をしたい」と告げられたら……。その選択を、あなたは受け入れることができるだろうか?
父と娘たちの最期の日々を綴る、フランス映画『すべてうまくいきますように』が、2023年2月3日(金)より全国で公開される。
監督は『まぼろし』『8人の女たち』『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』などを手がけたフランス映画界の名匠フランソワ・オゾン。
物語のベースとなっているのは、“安楽死”を巡る父娘の葛藤を描いた、『スイミング・プール』の脚本家エマニュエル・ベルンエイムによる自伝的小説だ。
ある日、突然脳卒中で倒れ身体が不自由になってしまった父アンドレ。娘のエマニュエルは「自分らしく一生を終えるために安楽死の手伝いをしてほしい」と父から告げられる。最初は困惑するも、父の最期の願いになんとか寄り添うことを決意。
しかし、決行日が決まると父はみるみる“元気”になった。徐々に回復し、生きる喜びを取り戻したかのように見えたが……それでも意思を曲げようとはしない父。
果たして安楽死は決行されるのか?
主人公・エマニュエルを演じるのは、フランスの国民的女優ソフィー・マルソー。深刻な時にも父から受け継いだユーモアを忘れないエマニュエルの愛らしさが、マルソーの魅力でより一層引き立つ。
テーマは安楽死とシリアスだが、ところどころに絶妙なコミカルさが交じり、過度な重々しさは感じられない。あくまでも日常的な風景を淡々と描いた、誰もが経験しうるであろう物語に仕上がっている。
人はみな、等しく死を迎える。
自由に安心して「生きる権利」があるなら、自由に安心して「死ぬ権利」もあるのだろうか。人生の最期の締めくくり方について、深く考えさせられるような作品となっている。
『すべてうまくいきますように』
【上映】2月3日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、Bunkamuraル・シネマ 他公開
【監督・脚本】フランソワ・オゾン
【配給】キノフィルムズ
【公式HP】https://ewf-movie.jp/