未着工に終わったフランク・ロイド・ライトの建築計画、3D技術で完成予想図が明らかに
「近代建築の三大巨匠」の1人、フランク・ロイド・ライト。ニューヨークの「ソロモン・R・グッゲンハイム美術館」や豊島区にある「自由学園明日館」など数々の名建築を残してきた一方で、未着工に終わったものもある。
そんな実現しなかった建築作品を、スペインの建築家David Romero氏が3D化したらしい——。
まずは、シカゴに建設予定だった『National Life Insurance Building』の完成予想図を見てみよう。
©2023 Frank Lloyd Wright Foundation
ガラス張りの25階建てで、モダンな印象が感じられる。
1920年代のシカゴはクラシカルな建物が多かったため、もし実現していたらそのコントラストにシカゴの人たちは驚いただろう。
©2023 Frank Lloyd Wright Foundation
©2023 Frank Lloyd Wright Foundation
©2023 Frank Lloyd Wright Foundation
シカゴには、もう1つ未着工に終わった建築作品がある。
『The Illinois』という528階建てのタワーだ。
©2023 Frank Lloyd Wright Foundation
収容人数は10万人以上で、ヘリポートや15000台以上の車をとめられる駐車場なども建設する大規模な計画だったんだそう。
事実、1950年代当時に最も高かったビルの4倍の高さになる予定だったらしい。
©2023 Frank Lloyd Wright Foundation
©2023 Frank Lloyd Wright Foundation
©2023 Frank Lloyd Wright Foundation
©2023 Frank Lloyd Wright Foundation
これだけの規模になってもデザインにこだわりが感じられるところが、フランク・ロイド・ライトの建築なのだろう。
例えば、「taproot」と呼ばれる部分は逆さのエッフェル塔をイメージしているんだとか。
©2023 Frank Lloyd Wright Foundation
最後に紹介するのは、ワシントンD.C.に建設予定だった『Crystal City』。
©2023 Frank Lloyd Wright Foundation
都市と自然が見事に融合したようなプロジェクトで、ホテルや居住スペース、ショッピングセンター、劇場などを含んだ施設になる計画だったそうだ。
©2023 Frank Lloyd Wright Foundation
どの建築作品も20世紀初め〜中頃に計画されたものだが、どこかモダンさが感じられる。
フランク・ロイド・ライトは、建築の未来を見据えていたのかもしれない——。
Top image: © 2023 Frank Lloyd Wright Foundation