LA近郊の丘陵に建つ「ガラスの教会」。設計は日本にゆかりある、あの巨匠の息子
LAダウンタウンから車で約1時間ほど、パロスバーデスの丘の上に木立に囲まれるようにして建つ小さなチャペルがあります。この場を下見に訪れたカップルの多くが、思わず即決してしまう魅力。それは、チャペル内を満たす自然光の美しさ。
木立の隙間から降り注ぐ陽光
「ガラスの教会」の美しさ
「Wayfares Chapel(ウェイフェア・チャペル)」は、ハリウッドセレブに限らず、多くのカップルが式を挙げる場所。映画の舞台にも使われており、礼拝堂の中は壁も天井もガラス張り。祭壇の後ろに続くコロネードの向こうには、どこまでも青い太平洋が広がっています。
ガラス越しに見えるカリフォルニアを象徴するレッドウッド(セコイア)がチャペル全体を覆い、木立の間から柔らかい陽光が降りそそぐことで、チャペル内がやさしい陽光に包まれます。この他に類を見ないガラスの教会をデザインしたのは、じつは日本にたいへん縁のある人物なんですよ。
旧帝国ホテル新館を設計したアノ人を父にもつ建築家
「近代建築三大巨匠」のひとりに称され、旧帝国ホテル新館を設計したことで日本人にも馴染みの深い、フランク・ロイド・ライト。その息子ロイド・ライト(写真上)がデザインした教会こそが、このウェイフェア・チャペルだということを知る人は、意外に少ないかもしれません。
チャペルの文献によれば、この丘に立ったロイド・ライトは「神さまと自然、さらには精神世界(人間)とが三位一体となって生まれる“調和”をデザインに落とし込もう」と決意し、1951年この全面ガラス張りの礼拝堂が完成しました。
神と自然と人間と。光と海が祝福してくれる!
65年も前に建てらてたなんて信じられないほど、モダンで温かさを感じさせてくれる場所。シンプルなデザインと自然の豊かさを存分に活かした、程よいリラックス感もバッチリ。
真紅のブーゲンビリアが目に映えます。でも、コレだけではないんです。オリーブに松、アプリコット、いちじく、ツツジ、りんご、シャクナゲ、バラなど温暖なカリフォルニア特有の草花がチャペルのいたるところに。
教会から裏庭へと続くレンガの舗道に目をやれば、この地で式を挙げたカップルの名前や、参列者のお祝いのメッセージが刻まれてたレンガがびっしり。ガラスの教会とともに、人生の門出の記憶を残していけるなんて。ロマンチックだと思いません?
日が暮れてライトアップされると、日中とはまた別の表情を見せるチャペル。すぐ隣に建つ石塔に灯る明かりは、はるかサンタ・カタリナ湾をゆく船の上からも見えるそうですよ。
ロマンチックな非日常空間は、挙式のスケジュールがない日であれば誰でも見学自由。レンガを見に再訪してもいいですね。
大自然に見守られながら家族だけの結婚式も、仲の良い友達を招いたリゾートウェディング気分でも。ここなら最高の想い出ができるに決まってる!