インドの野生トラ、3167頭にまで増加。

20世紀初頭、世界に10万頭が生息していたとされる野生のトラ。「WWF」によると、現在その数は2100〜3100頭にまで数を減らしてしまったという。

森林破壊、密猟、違法取引──。トラたちを脅かす原因は、言うまでもなくどれも人間の行いによるもの。

だが、最新の調査によると、野生トラの数がここ数年で急増しているそうだ。世界のトラの7割以上が生息するといわれるインドにおいて、1973年よりスタートした積極的な保護政策の甲斐あって現在、3167頭の生息が確認されたそうだ。

先月23日、ナレンドラ・モディ首相は保護活動「Project Tiger」創設50周年を祝う式典において「インドはトラを救っただけでなく、トラが繁栄する豊かな生態系をつくりだした」と、その成果を口にした。

73年のプロジェクト開始以降、4年おきに生息数を調査してきたが、2006年の調査では1411頭と過去最低にまで減少していた。

政府は森林保護員を増員し、保護区整備に予算をかけてきた成果が現れてきたのは2019年のこと。個体数が過去4年間でおよそ30%増加、約3000頭にまで回復した。

そして今回、4年前から増えた数字はわずか200頭ほどではあるが、着実に保護活動が実を結んでいることを実感させる。

急激な経済成長と人口増加、広大な国土で軋みをあげる超大国。デジタルインフラ戦略とスマートシティ構想ばかりに目が行きがちだが、もうひとつの肝いり事業として積極的なトラ保護の姿勢は、世界で絶滅の危機を迎えているほかの生物たちの生息域の国々にとっても、大きな意味をもつのではないだろうか。

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