ナイスバディ子、時間は取り戻せることを知る

サウナ大好き作家・岩田リョウコさんと、サウナをこよなく愛する女優・清水みさとさん。

ふたりがどのようにサウナを日常に取り入れ、どんなサ活を楽しんでいるのか。気になりますよね? そこで、ふたりのサウナな日々を「交換日記」に綴ってもらいました。

今回は、みさとさんからリョウコさんへ──。

清水みさと

俳優、タレント。サウナ好きが高じて、「サウナイキタイ」ポスターモデルをはじめ、ラジオ「清水みさとの、サウナいこ?」(AuDee/JFN全国21局ネット)のパーソナリティーを務め、TBS「世界ふしぎ発見!」など多方面で活躍中。近著に『サウナのぷりンセス』。

リョウコさんへ

 

その後、肩の調子はどうですか?

「サウナを信じすぎるな」という話、ぐうの音もでません……。

サウナがすべてのことを解決するわけではなく、サウナはツールであって、解決するのは自分自身。

サウナは万病を治す!サウナ好きはいい人しかいない!とかって、よく、サウナを魔法のようにいうけれど、サウナでととのえた心と体にはその先があって、それは自分次第なんですよね。とほほ。

 

いやぁ、刺さりました、刺さりすぎて痛い!

「サウナでむくみをとればいいし、いっぱい食べちゃおう」と甘辛どちらも、楽しさにかまけてオーバー気味に食べ、翌日「むくみが取りきれない!」と狼狽えるわたし。

サウナを信じすぎて体が泣いている現象、わたしにもしっかり起きているので、蓄積する前に、生活習慣を見直します……。

「草加健康センター」にて©清水みさと

自立してこそ、サウナも自分も喜び合える関係性

そうありたい! そして、ずっとずっと大好きなサウナに入り続けたいからこそ、健康でいたいですね。健康第一。

©清水みさと

先日、ジムのサウナで顔見知りで挨拶程度だったおばちゃんと、更衣室で会いました。


こんなに会っているのに、じつはお互い服を着て顔を合わせるのは初めて。サウナのタイミングはほぼ一緒なのに、更衣室に行くタイミングがまったく合わないおばちゃんです。

 

ロッカーの前にあるベンチで一息ついていたら「お嬢さん」と声をかけられました。

そう、このおばちゃん、いつもサウナで「ナイスバディ子ちゃん、こんにちは」と声をかけてくれるんです。漫画『ご近所物語』です(ナイスバディ子ちゃんというキャラクターが出てきます。大好きな漫画です。)

わたしは大して否定もせず「えへ!」とかいっちゃってるんですけど、これぞサウナの会話。

いつもは、「そんなことないですよ」とか言いそうな場面でも、たやすく肯定しちゃう独特の“開放感”がサウナにはありますよね、はい。

 

「今日誕生日なの」と突然の暴露から始まり、「昨日は高野山、一昨日は京都で遊んできて、今から誕生日会でランチに行くの」と楽しい予定がてんこ盛り。

年齢不詳のおばちゃんで、ヴィンテージの洋服は相当おしゃれだし、髪には真っ赤なインナーカラーが入っていて、とにかく若々しいから何歳になるのか聞くなんて愚問かな?と思っていたら、彼女の方からすかさず「74歳になるのよ」って。

 

衝撃でした。みえない、ひとつも見えない!

多めに見積もっても、60歳になりたてくらいにしか見えない、嘘みたいにファンキーな74歳だったのでした。

74歳でこのスケジュールをこなすって、すごすぎません? まず、健康必須。そして、わたしが70歳になったとして、こんなハードスケジュールをこなす以前に、計画できるのか!?

 

とにかく毎日遊ぶ予定でいっぱいで、日々楽しくて仕方がないんですって。

 

流石に聞いてもいいよね? ってことで、「なにをやられてるんですか?」と聞いたら、今はもう引退したけれど、以前はテレビドラマのプロデューサーをしていたそうで、わたしが学生の頃毎週観ていたドラマの大半を手がけられていました。

とにかく働き詰めで、寝る暇もないくらい忙しく働いていたら、いつの間にか消えていた時間──。

 

「わたし、その時間を今取り戻してるの」

 

と、さらっと言ってのけました。

か、かっこいい……。時間は待ってはくれないし、戻ることもできないから、「あの時やっておけばよかった」「行っておけばよかった」と、過去を悔やむことって誰でも一度はあると思います。わたしなんて、しょっちゅう。

だけど、どうやら時間は取り戻すことができるらしい。

 

取り戻しているおばちゃんが、目の前でゲラゲラ笑っている姿が本当に幸せそうだったから、本当にそうなんだと思います。

 

サウナ後の、たった5分くらいの適当なおしゃべりだったのに、なにかしらの不安とか悩みが、そうじゃないものとして見えるようになった、本当の意味でととのった時間になりました。

ととのい中……©清水みさと

そして、情緒なく「じゃーねー!」とサラっと帰っていく。これぞサウナ。

いい話の“残り香”なんていらない、これがサウナ。

 

そうそう、このおばちゃん、どんなに仕事で忙しくても大好きなサウナだけは欠かさず行っていたそうで、大きな病気はひとつもしていないんですって。

 

やっぱり、健康ありきだ。

 

健康だからこそ、好きなサウナに目一杯通えて、「楽しい」「嬉しい」「おもしろい」でいっぱいにできるんだなぁと思えたので、サウナに寄りかかりすぎず、時々助けてもらいながら、いい付き合いをしていきたいなと思った次第であります。

©清水みさと

いい話、聞けたなぁ。

このジムに通っていてよかったです。

 

よし、今日もサウナ、行ってきます!

↓「サウナ交換日記 〜vol.35」はこちらから↓

Top image: © 清水みさと
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。