イギリスの農作物、肥料使用量が減少しても収量は増加
イギリスの環境・食料・農村省(Defra)が発表したデータによると、人工肥料の使用量が減少しているにもかかわらず、農作物の収穫量が増加しているという。
小麦・大麦・テンサイといった主要作物における人工肥料の使用量は、2010年から19年にかけての平均と比べて27%まで削減に成功しているのに対し、収穫量は同時期と比較しても2.4%の上昇が見られたという。
農業における肥料の使用は土壌汚染の原因ともなる。Defraによれば、現に農業排水が内陸水域の汚染の40%を占め、硝酸塩汚染の50%、リンの25%、および堆積物汚染の 75%が農業に起因すると推定している。
同国における人工肥料の使用量削減が功を奏した形にも見えるが、ロシアによるウクライナ侵攻以降、肥料の価格上昇が止まらない現実も。農家もやむなく使用量を減らしたという背景があるようだ。
が、蓋を開けてみれば2022年の収穫にはほとんど影響を与えなかったばかりか、やや豊作という結果に、農業関係者は胸をなでおろしたに違いない。
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おいしい作物や野菜が肥料なしに育つのなら言うことなしでしょうが、これが継続的に安定した収量となることがベストなはず。それでも、肥料削減が農業ビジネスにも環境にも利点をもたらした実例として、紹介させていただきました。
Reference: British crop yields rise despite cut in fertiliser use, research finds, British survey of fertiliser practice 2022
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