日本では炎上確定の「電車ガール」が、世界中で大絶賛されるワケ
“電車の中で踊る”ことが、TikTokでトレンドになっている。
まさか、新たな迷惑行為が横行しているのか……なんて悲観的になる必要はない。どうやらこのトレンドは、「自信とポジティブさの象徴」として世界中で称賛を浴びているようだ。
トレンドのきっかけとなったのは、こちらの動画。
ロンドンの電車内で自信満々に踊る動画を投稿したのは、会社員のSabrina Bahsoon氏。普段の憂鬱な通勤の際に「自分の機嫌は自分で取ろう」と思い、この動画が生まれたのだそう。
彼女の撮影スタイルは、魅惑的なカメラワークと「0.5倍ズーム」の広角レンズが特徴。軽快な音楽に合わせて無造作に変わる画角と風に吹かれる可憐な姿は、見る者を飽きさせない。
この動画は270万回以上再生され、180万を超えるいいねが寄せられた。
Bahoon氏はすぐに“Tube Girl”(電車ガール)と呼ばれるようになり、大手メディアである『ABC NEWS』も、彼女の自信とポジティブさを称賛。
瞬く間に波紋を呼び、Tube Girlはひとつのムーヴメントとなったのだった。
大バズ中のトレンド「Tube Girl」に迫る
Bahsoon氏の動画がバズったことから、ハッシュタグ「#Tubegirl」はTikTok上で一大トレンドとなり、彼女を真似た動画が世界中で投稿されるように。今では、その再生回数は合計で10億回以上に上る。
Tube Girlに挑戦した一人、Jiayue Jenny Li氏は、ABCニュースの取材に「Sabrina Bahsoonの動画を初めて見たとき、開いた口が塞がらなかった」と語った。
「私も人前であんなに自信に満ち溢れ、人目を気にしない屈託のない態度でいられたらと思いました。」
それまで彼女は、地下鉄に乗ることさえ不安に思っていたという。しかし、このトレンドを知り、便乗したことで、生活にポジティブな影響がもたらされた。
「相変わらず通勤は気が滅入りますが、今では地下鉄に乗るのが怖くなくなりました。」
そう語るLi氏は、数日間にわたって何度もTube Girl動画に挑戦した。
カメラワークを見てわかる通り、初日はスマホを高く掲げて撮影することさえままならなかった。
羞恥や恐怖の心を捨て切れずにいた彼女だったが、諦めずに挑戦し続けた結果、5日目には驚くほど気持ちいい動画が完成。見よ、この自信に満ち溢れた笑顔を。
このように、Tube Girlトレンドは人々の自信に繋がるポジティブなムーブメントになっているのだ。
先駆者であるBahsoon氏は、自身のフィードにLi氏のようなTube Girl TikTok動画が上がってくるのを見ると、胸が高鳴るそうだ。
日本の電車内でも……?
さて、日本の読者の皆さんは、これを読んでどう感じるだろうか。
トレンドに乗っかりたくてウズウズしている人、あるいは、さすがに日本の電車内では無理だという人。賛否が分かれそうな話題だ。
とは言うものの、実際にTube Girlムーブメントは日本にもやってきている。秩序を重んじる日本でどのように自信を表すのか、いくつか例を見ていこう。
①日本の電車ではできない派
電車内でスマホを取り出して撮影を始めるも、画面に映るのは自信のないフェイス。さすがに、秩序ある日本の電車内では厳しいものがあるようだ。
②電車でできないから、個室でやる派
こちらも、人目を憚らず動画を撮影することははできない派。
でも、あのTube Girl独特のカメラワークは真似したい……そんな彼女は、他人の目につかぬよう、公共空間を避けて個室でトレンドに便乗。
もはや「Tube(電車)」ではないが、Tube Girlの本質は自信に満ち溢れる撮影方法、ということを示唆しているのかも知れない。
③空っぽの電車内ならやっちゃう派
「誰もいない電車、この絶好のチャンスは掴ませてもらうよ!」と、友人しか乗っていない電車内で撮影に成功したTube Girlも。
結論としては、イギリスや欧米圏と比べて少しお堅い日本の公共空間では、本家のBahsoon氏にはなりきれない。でも、「自分の機嫌を自分で取る」ために、それぞれの方法でTube Girlになることはできるようだ。
……あなたも、Tube Girlになってみる?