電車とバスの運賃が「無料」に?LAの交通インフラに大改革
意外にかさむ交通費。電車に乗りながら、ふと「これが無料だったらどんなにいいか......」と思った経験はないだろうか。そんな願いが、もしかしたら現実になるかもしれない。
米「ロサンゼルス郡都市圏交通局」、通称「LAメトロ」のCEOは、電車とバスの運賃を完全に廃止する考えを発表した。
車社会といわれるロサンゼルスだが、じつは公共交通機関を利用する人も多い。利用者は有色人種や低所得者の割合が多く、そういった人々がCOVID-19による経済的な打撃を受けていることが、無償化を検討している大きな理由の一つだという。
それだけではない。電車とバスの無償化により利用者を増やすことで、ロサンゼルスの深刻な自動車の渋滞を解消することも狙いの一つとのことだ。渋滞が改善されることで公共スペースが増え、また、大気汚染問題も解決に近づくかもしれない。
一方で、LAメトロの今後の経営についても多くの疑問が寄せられている。
たしかに、無償化した分をどのように補填するのかは気になるところだ。CEOによると、これまでの運賃収入については、国や自治体からの補助金や、スポンサー企業からの広告費などで補填することを検討しており、実際に可能かどうか現在調査しているということだ。
もしロサンゼルスで電車とバスの運賃が無料になったら、人の動きは大きく変わるだろう。それはつまり、街全体が変化するということだ。LAメトロの今後の動向に注目が集まる。
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