いま、知っておきたい「ブランドアクティビズム」について

消費者のロイヤリティを高める
「ブランドアクティビズム」とは?

「ブランドアクティビズム(Brand Activism)」とは、企業やメーカーなどが社会的な責任を果たし、特定の社会問題や政治課題に対して積極的なスタンスを取る行動のこと。

消費者の環境問題や人権問題などに対する関心が高まり、企業やメーカーなどにその解決やサポートを求めるようになったことで、これまで以上に重要性が増してきていることから、このワードが生まれたようだ。

背景には、消費者がありとあらゆる情報にアクセスしやすくなったことも影響している。企業やメーカーなどの行動は、これまでは情報を得づらかったが、現代はインターネットやSNSなどの発達により、簡単にアクセスできるように。そのため、企業やメーカーなどが社会に何を還元しているのかが注目されるようになった。

また、ミレニアル世代やZ世代は、購買意欲のひとつとして環境や社会に対する影響も考えるようになっている。ブランドアクティビズムを明確にすることで、消費者からの共感を深められ、結果としてロイヤリティを高められるとも考えられているようだ。

ただし、情報にアクセスしやすいからこそ、ブランドアクティビズムが十分に考えられていない場合や行動が伴っていない場合は、グリーンウォッシュと非難されたり、文化の盗用と批判されたりすることもある。

怯まずに主張し続ける
「Patagonia」

© Patagonia / Instagram

ブランドアクティビズムが明確で、消費者のロイヤリティの向上につながっている好例は、アウトドアブランド「Patagonia」だろう。

同社は環境に負荷をかけないファッションのあり方を促進するために、すでに持っている洋服を長く着続けることを広める「Worn Wear」というプログラムを行なっている。

また、トランプ元大統領がユタ州にある国指定保護地域の範囲を縮小すると発表した際には、彼らはそれに反対声明を出し、自然保護活動団体が提起した訴訟に参加している。ちなみに、この一連の動きによって「Patagonia」の売り上げは上がることになった。

最近では、同国の先住民族がサケに代わってシアトル市を訴えたことを取り上げ、その周辺情報を詳細にオウンドメディアで紹介することで、自分たちのスタンスを間接的に消費者に伝えてもいる。

社会を巻き込む仕組みを作った
「Oreo」の施策

© Oreo / Instagram

少し前の事例にはなるが、あの「Oreo」もブランドアクティビズムを取り入れている。

彼らは10月11日の「カミングアウトデー」に合わせて、LGBTQの子どもを持つ親のグループ「PFLAFG」と手を組み、家に彼女を連れて帰った娘に対する親のリアクションを描いた短編映像を公開。

また、それに合わせて「Oreo」は、レインボーカラーのクッキーを限定1万個で生産。これを店頭で販売するのではなく、SNSで「#ProudParent」というハッシュタグをつけて、「アライ(LGBTQを親身に支援する人)であるということが、あなたにとってどんな意味があるか」に関するコメントを投稿した一部の人に配布するキャンペーンを展開した。

自分たちのスタンスを明確にしながら、それに共感する消費者を上手に巻き込んだ事例と言えるだろう。

まとめ

ブランドアクティビズムは、企業やメーカーなどが大切にしている価値観が明確になっている場合は、問題なく取り入れることができるだろう。

それに対し、最初から消費者の共感を得ることを狙っていたり、メッセージ発信によって売上が上がることを目論んでいたりすると、すぐに“化けの皮”が剥がれることにつながるようだ。環境問題や人権問題などを取り扱うからこそ、しっかりと考える必要がある。

とはいえ、モノにありふれた時代においては、こうした企業やメーカーなどのスタンスが他社との差別化を図るひとつの要素になるのもまた事実。より消費者のロイヤリティを高めるためにも、企業やメーカーとして掲げているミッションやビジョンなどについて考えを深めてみても良いのかもしれない。

Top image: © FilippoBacci/Shutterstock.com
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