【SNSと性被害】テイラー・スウィフトの偽ポルノ流出で、Xが検索機能を一時停止。

Xの機能が一時停止した──。

1月末、テイラー・スウィフトのAI生成画像が拡散。それがただの画像にすぎず、彼女を性的に描写した偽画像だったことが世間を騒がす要因となった。

X(旧:Twitter)は画像の拡散を食い止めるべく、検索機能を一時停止する措置を行使。彼女の名前を同プラットフォーム上で調べられないようにしたこの措置は、瞬く間に世界が報じるニュースに。

Xの事業運営責任者ジョー・ベナロッチ氏は、一時的な措置としながらも「この問題について安全を優先しており、慎重を期して行った」と説明。

しかしながら、Xに投稿された偽画像は、アカウントが停止されるまでに4700万回閲覧されたと『ニューヨーク・タイムズ』は報じている。

現在、各SNS媒体は企業独自の規則で投稿管理が行なわれている。今回の件を受け、ホワイトハウス報道官は偽画像を「憂慮すべきもの」とし、ソーシャルメディア各社に誤報の拡散防止を要請した模様。

大物アーティストゆえの措置なのか?

ここで一つの疑問が浮かんでくる。Xを一時停止させたのは、「ディープフェイク」か「テイラー・スウィフト」か?

つまりXが一時的な措置を講じたのは、被害者であるテイラーが世間を揺るがすほど大きい影響力を持つ人物だからだろうか?

ニューヨークの州議員はこんなツイートを投稿している。

Joe Morelle / X

「AIが生成したテイラーの露骨な画像の拡散には呆れるばかりだが、悲しいことに、それは毎日、あらゆる場所で女性に起きている」。

「これは性的搾取であり、私はこれを連邦犯罪とするため、私の法案である『親密画像のディープフェイク防止法』を制定して戦っている」。

彼のツイートの通り、被害を受けているのは著名人だけではない。一般人、特に女性がAI生成画像を使用した性的被害に遭うケースは枚挙にいとまがない。しかも、今回の騒動と同様の被害は、いたるところで毎日発生しているというから心が痛む。

性的搾取は様々なプラットフォーム上で発生する可能がある。そのため、一般のユーザーが被害者になった場合も、今回と同じような措置が講じられるのか疑念が残る。

今回の件をきっかけに、1人でも多くの被害者が減ること、そして各ソーシャルメディアが迅速かつ適切な予防策と対応策を構築することを願うばかりだ。

ファンの守衛は強靭だった
「Protect Taylor Swift」

sophie ⭑ / X
abby🥂the tortured poets dpt!! /X

ところで、騒動の渦中もテイラーはファンに守られていた。

偽動画拡散を受け、「スウィフティー」の名称で知られるファンたちは、X上で「PROTECT Taylor Swift(テイラーを守ろう)」、そして女性をセクシュアルな被害から守ろうと呼びかけていた。

テイラーは彼女自身の楽曲や影響力を通して、女性の強さを謳っては多くの人々を鼓舞してきた。今回の騒動においても、ファンの行動から、彼女がもとよりエンパワメントしてきた結果が現れていることがわかる。

もしかすると、ファンが立ち上がったことが措置を講じるひとつのキッカケとなったかもしれない。

Top image: © John Shearer/TAS23/Getty Images for TAS Rights Management
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