今のうちに知っておきたい「リテールメディア」

購買率の向上に特化した
「リテールメディア」

リテールメディア(retail media)」とは、小売店のオンラインプラットフォーム内で行われる広告やプロモーション活動のこと。テクノロジーの発達により顧客の情報を詳細に把握する小売店が増えてきており、過去と比べてアプローチの精度は上がっていると言われている。

ブランドにとってリテールメディアは、既存の顧客に対するエンゲージメントを高めることに繋がったり、新たな顧客を獲得する機会になっていたりもする。

また、リテールメディアにはサイト内に表示するバナーや動画、サイト内レコメンドなど種類も多岐にわたるため、ブランドは目的に応じて適切な方法を選ぶ必要がある。

購買データを駆使して
ディスプレイ広告を実施した「Gain」

© krogerco / Instagram

P&Gの傘下にある洗濯用洗剤ブランド「Gain」は、アメリカのスーパーマーケットチェーン「Kroger」のリテールメディアを利用したキャンペーンを行っている。

Krogerが保有する購買データから、洗剤を購入する可能性の高い世帯をターゲットにし、ディスプレイ広告を実施。このキャンペーンにより、既存の顧客の購買意欲を高め、新たな顧客に「Gain」を試してもらうきっかけになったそうだ。

リテールメディアは、この事例からも読み取れるように、ブランドの認知度の拡大よりも購買率の向上に効果を発揮すると言われている。

顧客ターゲッティングで
「ペプシ」売上拡大に利用

© pepsi / Instagram

「ペプシ」は、アメリカのスーパーマーケットチェーン「Albertsons」と提携し、過去に夏の販促キャンペーンを実施したことがある。

Albertsonsのウェブサイトやアプリの中で、プロダクト広告やバナー掲載などを行い、ペプシを購入したことのある顧客にターゲティング。その結果として、ペプシはプロモーション期間に売上3%アップを達成したとのこと。

これもテクノロジーが発達したことにより、精度が上がっているからなのかもしれない。

まとめ

こうした例は必ずしも新しい概念ではないが、近年ブランド側はリテールメディアについての理解を深めることで、キャンペーン成功のファーストステップと捉えているようだ。

今日では、店舗内のサイネージのほかカートに取り付けられたディスプレイ自体をリテールメディアとして利用するケースもあり、その形態は多岐にわたる。キャンペーンの目的に合わせ、最適なリテールメディアを選択することが重要な時代。成功のカギを握る新たな動きはこれからも続くだろう。

変化の激しいこの時代、
新しい価値観や考え方が日々生まれています。

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