今知っておきたい福岡・宗像のパワースポット

ANNA SUIや東京ガールズコレクションなどで多くのデザインやイラストを手がけるイラストレーター兼デザイナーの小石川ユキさんが、福岡県宗像市をこんな風に描きました。

「海を渡る宗像三女神」
Licensed material used with permission by 小石川ユキ
「宗像大島に伝わる七夕伝説」
Licensed material used with permission by 小石川ユキ
「森の中の宗像三女神」
Licensed material used with permission by 小石川ユキ

かわいいですよね。
一枚目で海を渡っているのは、天照大神(あまてらすおおみかみ)の娘たちである「宗像三女神」、二枚目に描かれているのは宗像の大島が発祥といわれている七夕伝説の織姫と彦星です。

ここからもわかるように、宗像市は神様や伝説とゆかりがあるまち。ゆえに、俗に言う“パワースポット”のような場所がいっぱいあるんです。

今回は、2017年7月に世界遺産に登録された今だからこそ、おさえておきたい宗像市のパワースポットを紹介します。

01.
神宿る島にある
「沖津宮」

沖津宮
遠くから見た「沖ノ島」全景

三つの「宮」からなる宗像大社のひとつ、玄界灘沖に浮かぶ沖ノ島にある「沖津宮(おきつみや)」です。ここには、宗像三女神の長女・田心姫神(たごりひめのかみ)が祀られています。これまでに、島全体から8万点にもおよぶ国宝が出土しており、別名「海の正倉院」とも。かつて、日本と朝鮮半島の交易が栄えた地でもあります。

原則として立ち入りが禁止されているなど、今でも厳しい掟が守られています。島全体が、信仰の対象となっている神聖な島なんです。

※「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群

02.
七夕伝説発祥の地
「中津宮」

福岡県最大の島である大島にある「中津宮(なかつみや)」宗像三女神の次女・湍津姫神(たぎつひめのかみ)が祀られています。境内からは海を見渡すことができ、鳥居も海向き。海への深い信仰が感じられます。

また「中津宮」は、七夕発祥の地ともいわれ、境内には天の川が。また、川をはさんで牽牛(彦星)と織女(織姫)をお祀りする神社もあります。旧暦の7月7日に近い8月7日には盛大に「七夕祭」が開催されます。

※「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群

03.
沖ノ島を見ることができる
「沖津宮遙拝所」

沖ノ島に最も近づける場所とされる「沖津宮遙拝所(おきつみやようはいじょ)」。立ち入りが禁止されている沖ノ島を拝むため、大島の北側に設置されています。

晴れた日には、沖合約50km先にある沖ノ島を見ることができ、晴れていなくても、ここからの景色は圧巻です。

※「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群

04.
宗像最大のパワースポット
「辺津宮」「高宮祭場」

いわゆる宗像大社と呼ばれているのが「辺津宮(へつみや)」宗像三女神の三女にあたる、市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)が祀られています。

宗像大社は全国6200社の総本社。格式高い神社でありながら、“交通安全の神様”として親しまれている一面もあります。


本殿奥には「高宮祭場」があります。
宗像大神「降臨の地」として伝えられるこの場所は、神聖な空気に包まれた古代祭祀の場。全国でも稀な祈りの空間となっています。

ここ、本当に空気が違います。
そんな空気を感じとってのことか、参拝に訪れた人たちが、思い思いに色んなお供え物をしていました。

また、併設されている「神宝館」には、沖ノ島から出土した国宝や宗像大社の神宝が。こちらも見逃せません。

※「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群

05.
展望&絶景!
「大島」

中津宮や沖津宮遙拝所がある「大島」(神湊港渡船ターミナルから船で約20分)には、絶景スポットがいっぱいあります。

特に、景色が最高なのが「風車展望所」。晴れた日には、真っ青な玄界灘のパノラマビューを楽しむことができます。春は菜の花、夏はひまわり、秋にはコスモスと、シーズンごとに変わる風景も見どころです。

風車展望所

ほかにも、海の中に鳥居がある「夢の小夜島」や、宗像三女神の長女が馬に乗って飛び渡ってきた跡「馬蹄岩(ばていいわ)」など、チェックしておきたいスポットがたくさん。

夢の小夜島

島の周囲は15kmほど。
ぜひ、渡船場に置いてある島のマップをゲットして巡ってみてください。

06.
椿と猫の島
「地島」

人口約200人の「地島(じのしま)」(神湊港渡船ターミナルから船で約20分)には、島全体に多くの猫たちが生息しています。

約6000本ものヤブ椿(見頃は3月)が自生している遊歩道「つばきロード」はハイキングにぴったり。多くの猫たちと豊かな自然で、心身ともにのんびりできる島です。「沖ノ島展望台」からは、晴れた日には沖ノ島を見ることもできます。

07.
"花ごよみ"で季節を味わう
「鎮国寺」

宗像大社・辺津宮の近くにある「鎮国寺(ちんこくじ)」。弘法大師(空海)が806年に日本で最初に創建したと伝えられる真言宗最古のお寺です。「花と祈願の寺」といわれており、梅、桜、あじさいなど年間を通じて美しい花々を楽しむことができます。

08.
宗像のルーツ"海の民"が眠る
「新原・奴山古墳群」(福津市)

「新原・奴山(しんばる・ぬやま)古墳群」があるのは、宗像市のお隣の福津市。ここは、日本列島と朝鮮半島間の海を越えた交流の担い手であり、信仰の伝統を育んだ古代豪族・宗像氏の墳墓群です。

※「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群

【番外編】
"嵐"で一躍有名になった
「宮地嶽神社」(福津市)

福津市にある「宮地嶽(みやじだけ)神社」は、2016年に人気グループ「嵐」が出演したCMで一躍有名になりました。CMのシチュエーション「光の道」は、石畳の参道と、日の入り前の太陽の光が一直線に重なる光景。見ることができるチャンスは、2月と10月の限られた期間のみと、かなりレアです。

ちなみに……

冒頭でご紹介した小石川ユキさんとコラボした、宗像市オフィシャルグッズは、「道の駅むなかた」「街道の駅 赤馬館」「大島港 渡船ターミナル」など、宗像市内8か所で手に入ります。おみやげとして女性にかなり人気なんだそうです。

取材協力:宗像市
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。