「出産したら6億円請求」4児のママの衝撃告白。浮き彫りになる、過酷な米国の出産事情
「That hurt(痛手)」
こんな言葉と共にTikTokに投稿された、ある動画が話題を呼んでいる。
2021年、米オハイオ州在住のHanna Castleさんが四つ子を出産。生まれた子どもたちは全員がNICU(新生児集中治療室)に入る必要があり、およそ4ヶ月に渡って治療を受けた。
子どもは全員が無事に退院できたものの、安堵したのも束の間。
後日、病院からCastleさんに伝えられた請求額は、なんと総額400万ドル=日本円にして約6億円にも上る驚愕の数字だったのだ。
ハンナさんは、当時受け取った請求書を動画にして投稿。
数十ページにも渡る請求書を淡々と解説する様子と、まさに「大痛手」な医療費が話題になり、800万回以上も再生、24万件近くのコメントが集めるなど、一大バイラルとなった。
© hannacastle/TikTok
治療費はオハイオ州の医療保険で全額保障されたものの、加入にあたって世帯収入の条件(6人家族の場合約41万ドル)を満たす必要があり、Castleさんは大好きな仕事を辞めなくてはならなかったという。
NPO「Health Care Cost Institute」によると、アメリカの出産費用は年々上昇傾向にあるとのことで、彼女のように(不本意な)辞職を迫られるケースもしばしばあるようだ。
先の投稿には、同様の出産費用に直面したというコメントも。
「誰かがこれを発信してくれて本当に良かった!看護師さんは“50万ドルの赤ちゃんね”なんてジョークを言っていたけど、請求書を見たら……冗談じゃないわ」
アメリカでは中絶が禁止されている州もあるが、全体的に、自力で出産のコストを賄える人はごくわずか。
現状は「富める者か、保険が適用される貧しい者のどちらか」となっている。
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