「すし・てんぷら」業界の職人不足を、Z世代女性が救う
名店の味がお得に口にできるコスパ良しな体験、というだけではない。
“若年世代”の女性が「すし・てんぷら」業界における職人や慢性的な人手不足を救ってくれるかもしれないと期待できる、特別価格なランチコースが中目黒の名店で展開されている。
板場に立つことこそ、最速の育成
数々の人気店などの飲食事業を展開する「株式会社MUGEN」では、長い修行期間を経てデビューするカウンター業態において、その“神聖な板場”にいち早く立つことで、スピード感のある人材育成を掲げて推し進めてきた。
特に女性の若手職人の活躍が台頭しているのが、5年連続ミシュラン一つ星の「天婦羅 みやしろ」と食べログ百名店に認定されている「鮨 つきうだ」。各店舗とも月1〜2回の頻度にて限定的に彼女たちが“板長”となり、手頃な価格のランチコースを提供中だ。
高級カウンター業態のトップブランドに若手の板前を起用するとともに、「女性」を起用することで女性らしい心配りやサービス、アイデアなどでブランドへの新しい価値創造を図る。そういった狙いもあるらしい。
異色のキャリアの“女性板長”
さて、「鮨 つきうだ」での例を挙げると、すでに7回ほど板場に立つ機会を得ているという熊川れいさん。以前は保険の営業を務めていたという異色のキャリアの持ち主であり、そんな彼女が鮨職人の世界に転向してから早くも握り手として登板している。
カウンター越しに注がれるお客さんからの視線、そして若手育成の場ということで隣で手技をチェックする店主のまなざしに緊張しながらも、貴重な板場を経験できる喜びと楽しみがあると本人は語る。
まだ独り立ちには時間は必要とのことだが、丁寧かつスムーズに握りを提供するZ世代女子の姿に業界全体の板前・職人不足の課題に対して、次世代を担ってくれる頼もしささえ感じられる。
圧倒的なコスパで応援
若手育成の特別ランチコースは要予約で「天婦羅 みやしろ」が3300円(税込)、「鮨 つきうだ」(6600円)。ともに通常のランチコースの半額以下になる破格なので、自分と似たような世代の仲間の活躍をこれなら応援できそう。
赤坂や銀座の老舗鮨店が若手に握らせる場として手ごろな価格で提供する「立ち食い寿司店」を展開するなどもあるなか、こうした年齢や性別、経験も超越した職人の多様性を受け入れた取り組みが、次の世代の業界を変えていくことになるのかもしれない。
『鮨 つきうだ』
【住所】東京都目黒区東山1-11-15 中目黒ARKⅡビル 1F
【電話】03-6303-1733
<若手特別コース>
6600円(税込)/月1回、月末の木曜日 12:00〜※要予約
内容:先付け、季節の握り8カン、巻物、味噌汁『天婦羅 みやしろ』
【住所】東京都目黒区上目黒2‐18‐11
【電話】03-6452-2808
<若手特別コース>
3300円(税込)/毎週水曜日(2名の若手職人が交代で担当)開催 12:00〜※要予約
内容:季節の天婦羅7品、お食事(天丼、味噌汁、香の物)
※食事の内容は若手が考えたオリジナルとなります。