病気で声を失ったランディ・トラヴィス、AIを活用して十数年ぶりに新曲をリリース

AI技術の音楽への活用に対しては、批判や懸念の声もあがっている。しかし、音楽生成AIがひとりのアーティストを救ったようだ。

声を失ったランディ・トラヴィス
AIを活用して新曲をリリース

カントリー歌手のランディ・トラヴィスは、2013年に重度の脳卒中を患ったことにより歩行や会話ができなくなってしまった。アーティスト活動はもう不可能かと思われたが、AIの活用により十数年ぶりの新曲『Where That Came From』のリリースが実現したという。

音楽家のJames Dupreに楽曲を録音してもらい、その上からAIを活用して取り出した過去のトラヴィスの声を重ねることで新曲が完成したとのこと。彼は「音楽を心から愛しており、新曲をリリースできたのは家族やアーティスト仲間、ファンのサポートのおかげだ」と感謝を述べている。

© CBS Sunday Morning/YouTube

トラヴィス「AIは神の恵み」

新曲リリースについて、トラヴィスは「AIは神の恵みだ」と語った。アーティスト活動の休止を余儀なくされたあとも、音楽への愛は止まらなかったようだ。上記の動画には彼の家族が涙を流して喜ぶシーンもあり、AIがトラヴィスとその家族、大切な仲間たちを救ったことがうかがえる。音楽生成AIについては賛否両論あるが、今回の件でAIをポジティブに捉える人も出てきたかもしれない。

グラミー賞に7回も輝くなど、数々の名曲を生み出してきたランディ・トラヴィス。そんな彼の新曲『Where That Came From』、ぜひ聴いてみてほしい。

© Randy Travis/YouTube
Top image: © Jason Kempin/Getty Images
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。