コーヒー愛好家が生んだ、コーヒーを嗅ぎ分ける「電子鼻」
香りだけでコーヒーの種類や状態を見分けるのは、バリスタやコーヒー愛好家でなければ難しいだろう。しかし、「e-nose(電子鼻)」というテクノロジーを使えば、誰もがコーヒーを嗅ぎ分けられるようになるかもしれない。
「e-nose」とは、ガスを分析して物質を識別するシステム。商品の品質保証や血糖値のチェック、作物の収穫時期の特定など、あらゆる分野での活用が期待されているらしい。
そんな「e-nose」をコーヒーに応用しようとしているのは、台湾「国立高雄科技大学」の教授でコーヒー愛好家のChung-Hong Lee氏。コーヒー豆の味や香りは気候などの環境に左右されることから、品質や風味を毎年同じにするために「e-nose」を活用しようとしているそうだ。
Lee教授のチームは、コーヒー豆を区別するAIシステムのトレーニングを実施。その結果、16種類のコーヒー豆を81~98%の精度で識別できるようになったんだそう。
同氏によると、この技術を使えば誰でもコーヒーの嗅ぎ分けができるようになるかもしれないとのこと。また、世界中のコーヒーのデータを集めて蓄積することも目指しているそうだ。
ちなみに、Lee教授は電子鼻だけではなく、コーヒーの味をチェックする「電子舌」やコーヒーを最高においしく淹れるための「電子目」なども開発しようとしているんだとか。
Lee教授のコーヒー愛、恐るべし……。
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