「サンゴ礁再生」にかけるベトナムリゾートの挑戦

エメラルドグリーンの海に浮かぶ、白い砂浜とヴィラ。そこは、多くの旅行者にとって憧れの楽園、ベトナム・ニャチャンだ。 しかし、その輝きは地球温暖化の影によって、少しずつ失われつつある。サンゴ礁の白化海洋生物の減少……。

そんな状況に、立ち向かうリゾートがある。ニャチャン湾に面した5つ星ホテル、「ヴィラ レ コライユ グラン メリア ホテル」。 2023年3月、彼らは壮大なプロジェクトを始動させた。それは、“失われた楽園”を人の手で取り戻す試み。サンゴ礁再生プロジェクトだ。

1年足らずで
サッカーコート約3面分を再生

「ヴィラ レ コライユ グラン メリア ホテル」は、現地の教育観光企業「Avatar」と協働し、サンゴ礁の修復と再生に取り組んできた。プロジェクト開始からわずか1年足らずで、再生に成功したサンゴ礁の面積は、じつに2100平方メートルにも及ぶ。サッカーコート約3面分に相当する広さだ。

現在、さらに2000平方メートルがサンゴの苗床として指定され、リゾート前の海岸1000平方メートルでも、若いサンゴの再生が進められている。まさに、壮大なスケールで行われているプロジェクトと言えよう。

©Gran Melia Hotels and Resorts

「再生」の先にある
未来を見据えた取り組み

注目すべきは、このプロジェクトが、単なる環境保護に留まらない点だ。海洋生物学者たちは、再生したサンゴ礁で自然な繁殖の兆候を確認しているという。

メリア・ホテルズ・インターナショナル東南アジア地域マネージングディレクターのイグナシオ・マーティン・マンザノ氏のコメントを紹介したい。

「これらのサンゴが成長し、開花し続けることで熱帯魚やウミガメなど多くの重要な種を惹きつける素晴らしい生態系へと発展するでしょう。そして、ニャチャン湾や東海、ひいては、その他の地域にも永続的な付加価値をもたらすはずです」。

サンゴ礁の再生は、美しい海を取り戻すだけにとどまらない。豊かな生態系を育み、地域経済の活性化にもつながる。これも大切な未来への投資ではないだろうか。

地球と繋がる新しい旅のカタチ

「ヴィラ レ コライユ グラン メリア ホテル」は、宿泊客もサンゴ礁再生プロジェクトに参加できるアクティビティ「Coral Discovery」を用意している。サンゴの苗床やチーグエン島で、サンゴの断片をサンゴ礁へ取り付ける方法を学ぶ、2時間、または5時間のコース。年齢制限もないため、家族みんなで参加できるのも嬉しいポイントだ。

さらに、「Travel for Good」という包括的なイニシアチブを通して、廃棄物削減やリサイクル、省エネルギーなど、環境負荷を低減する活動にも積極的に取り組んでいる。

サンゴ礁再生への参加はきっと、地球環境について深く考える貴重な機会になるだろう。美しい海を眺めながら五感を研ぎ澄まし、そして地球と繋がる。そんな新しい旅のカタチが、ここにはある。

👀GenZ's Eye👀

美しい海を求めて訪れた旅行者が、「サンゴ礁再生プロジェクト」に参加することで守っていくサステイナブルな旅の提案──。目の前の美しい自然を残したいと感じた人が、その場でプロジェクトに参加できるのは素晴らしい取り組みだし、このアイデアはサンゴ礁に限らず、様々な自然環境で応用できる可能性を秘めているのではないでしょうか。

Top image: © Gran Melia Hotels and Resorts
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。