コスメブランドがメンタルヘルス支援「 Maybelline New York」の挑戦が示す、新しい時代の価値観

SNSを開けば、キラキラとしたライフスタイルを発信するインフルエンサーであふれている。そんな時代のなかで、生きづらさを感じている人も少なくない。周囲の視線や、完璧を求められるプレッシャー。誰もが経験する、漠然とした不安や孤独感……。

こうした現代人の心の問題に救いの手を差し伸べるべく立ち上がったのは、コスメブランドだった。

悩める友を救うのはあなた
メンタルヘルス講座「Brave Talk」

世界有数のコスメブランド「Maybelline New York(メイベリン ニューヨーク)」。彼らが2020年から取り組んでいるのが「Brave Together」というメンタルヘルスプログラムだ。これは、誰もが自分の心の声に耳を傾け「ありのままの自分で生きていく」ことを応援するために始まった、長期的な取り組み。

メイベリンによると、このプログラムを通して34ヵ国以上で165万人以上の人々が、無料で専門家によるメンタルヘルスのサポートを受けることができたという。コスメブランドの枠を超え社会課題に真正面から向き合う姿勢は、多くの人の共感を呼んでいる。

そんな同ブランドが、プログラムの一環として若者向けに新たなメンタルヘルス研修プログラム「Brave Talk」を開発した。

これは「The Jed Foundation」と共同で制作された、大学生以上であれば無料で利用できるオンラインプログラムで、若者が友人との間でメンタルヘルスの問題に直面した際に適切なサポートを行えるよう、対話の方法を学ぶことを目的としている。

従来の相談窓口とは異なりBrave Talkは場所や時間に縛られず、スマートフォンやパソコンからいつでもアクセスできるのが大きな特徴。プログラムは約10分の短いアニメーション形式で提供され、複雑なテーマを分かりやすく、かつ親しみやすい形で学ぶことができるという。

共感とアクセス性を重視
デジタル時代の社会貢献の形

Brave Talkがオンラインで提供されている背景には、若年層を中心にデジタルデバイスを通じたメンタルヘルスサービスの需要が高まっていることがある。場所や時間に縛られず匿名で利用できるオンラインサービスは、相談しづらい悩みを抱える人にとって、心理的なハードルが低いと言えるだろう。

近年、企業の社会貢献活動においても、SDGsの目標達成に貢献できる取り組みや、社会課題の解決に直結する活動が求められている。従来の寄付やボランティア活動といった形に加え、「Brave Talk」のようなデジタル技術を活用した社会貢献活動は、今後ますます重要性を増していくのではないか。

👀 GenZ's Eye 👀

友達を励ますのって、実は自分を慰めるより難しかったりするもの。こうしたプログラムが普及することで、若い世代がメンタルヘルスに関する知識を深め、友人同士で支え合えるようになるかもしれません。相手の励まし方を身につけた若者が増え、やさしい世界が広がっていけたらいいですね!

Top image: © iStock.com/vorDa
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。