ロゼ×ブルーノ・マーズの新曲は韓国の飲みゲー『APT.,』
グローバルな人気を誇るK-POP。いまやその影響力は音楽シーンを超え、ファッションやメイク、食文化まで、世界中の若者を席巻している。K-POPスターが発信する情報は、そのままトレンドとなり、新たな文化を生み出す力を持っているといっても過言ではない。
そんななか、韓国出身のガールズグループBLACKPINKのロゼは、12月6日にソロアルバム「Rosie」をリリース予定。同アルバムに先駆け、11月10日に配信開始された先行シングル『APT.,』が話題を呼んでいる。
『APT.,』は、世界的アーティストのブルーノ・マーズとのコラボレーション楽曲ということもあり、リリース前から注目を集めていた。アップビートで中毒性のあるメロディーラインは、聴く人をたちまち虜にする。
韓国メディア「Korea Times」によると、この『APT.,』という楽曲名は、韓国語で「アパート」を意味する「アパトゥ(아파트)」を短縮したスラングであり、韓国の若者の間で人気の飲み会ゲーム「アパートゲーム」からインスピレーションを得ているという。
「アパートゲーム」は、参加者が手を重ね、親指だけを順番に立てていき、指定された数で親指が重なった人がお酒を飲むというシンプルなルールだ。ロゼは「Korea Times」の取材に対し、「地元の友だちと遊ぶ時によくやる、大好きな韓国の飲み会ゲームです。とてもシンプルで、笑顔になれるし、どんなパーティーでも場を和ませてくれます」とコメントを残した。
K-POPアイドルが伝道師?
世界に広がる「ゲーム飲み」の可能性
ロゼは、レコーディングスタジオでスタッフに「アパートゲーム」を教え、その様子をInstagramに投稿していた。彼女の楽しそうな姿は、多くのファンに「ゲーム飲み」という新しい飲み会スタイルを印象付けたに違いない。
韓国では、「アパートゲーム」以外にも、「ヌンチゲーム」や「3-6-9ゲーム」、「訓民正音ゲーム」、「ソン・ビョンホゲーム」など、さまざまな飲み会ゲームが楽しまれているという。これらのゲームは、言葉の壁を超えて楽しめるものが多く、外国人との交流の場でも活躍するだろう。
近年、若者の間では、従来の「飲みニケーション」のあり方を見直す動きもある。韓国農村経済研究院の調査によると、20代のアルコール離れは年々加速しており、2023年には2010年と比較して、ビール消費量が約20%減少したというデータも出ている。
お酒を強要するような雰囲気が敬遠されるいっぽうで、共通の目的や楽しみを持つことで、自然とコミュニケーションが生まれる「ゲーム飲み」は、新しい時代の「飲みニケーション」として、若者を中心に浸透していく可能性を秘めていると言えるだろう。
国境を超えて共感を生む
韓国の「飲み会ゲーム」が世界を繋ぐ?
飲み会でゲームを楽しむ文化は、日本にも存在する。韓国の飲み会ゲームが海外に広がれば、国境を越えた新たなコミュニケーションツールとして、異文化理解を深めるきっかけになるかもしれない。
たとえば、韓国語で数字を数えながら楽しむ「3-6-9ゲーム」は、日本の飲み会でも簡単に取り入れることができる。また、「訓民正音ゲーム」のように、その国の文化や歴史にちなんだゲームをすることで、参加者同士の理解を深めることもできるだろう。
ゲーム飲みは、お酒が苦手な人や異なる文化を持つ人々とも、気軽に楽しめる点が魅力だ。お酒を飲むか飲まないかではなく、ゲームを通してその場を楽しむという新しい価値観は、これからの時代に求められる、多様性を受け入れる社会の実現にもつながるのではないだろうか。
👀GenZ's Eye👀
ソーバーキュリアスに逆行する「飲酒ゲーム」がトレンドになり、驚く人もいるでしょうが、K-POPアイドルの飲酒コンテンツは非常に人気があるんです。また、しらふで飲酒ゲームをプレイするコンテンツもよく見かけます。グローバルに活躍するK-POPアイドルがこれらの飲酒ゲームを広めることで、国境を超えたコミュニケーションツールになる予感がします。