「食後すぐトイレ」は病気? 意外と知らない体のサイン

ランチ後のコーヒータイムを楽しむはずが、急な便意に襲われてトイレへ直行……。「あるある」と頷く人も多いのではないだろうか。

じつはこの現象、誰にでも起こりうる自然な体の反応によるもの。食後すぐのトイレと密接な関係を持つ「胃結腸反射」のメカニズムや、過敏な反応への対処法について、最新の研究やデータも交えながらご紹介!

食後のトイレの正体は「胃結腸反射」
その驚くべきメカニズムとは?

食後にトイレに行きたくなる現象は「胃結腸反射」と呼ばれる生理現象によるもの。これは、食事によって胃が拡張されると、その刺激が腸に伝わり便意を促すというメカニズムらしい。

これをわかりやすく解説したのが医師のJoseph Salhab氏。「胃の拡張は脳に信号を送り、脳がさらに結腸に信号を送ることで、食べたものにさらに多くのスペースを作ろうと結腸が収縮し始めるのです」。つまり、食後すぐにトイレに行きたくなるのは、体がより効率的に食物を消化吸収するためにおこる自然な反応だと、「UNILAD」はSalhab医師の言葉を解釈する。

現代人に急増中「IBS」の可能性も

しかし、胃結腸反射が過敏に働き、食後に強い便意や腹痛がおきる場合は注意が必要だそう。それは「過敏性腸症候群(IBS)」のサインかもしれないから。「Cleveland Clinic」によると、IBSは、不快または痛みを伴う腹部症状を引き起こすそうで、便秘や下痢、ガス、腹部膨満はすべて、IBSの一般的な症状なんだそう。

厚生労働省の調査では、IBSの推定患者数は約1200万人と報告されており、現代人にとって決して他人事ではない病気と言える。ストレス社会と言われる現代、食生活の乱れやストレスの影響を受けやすい腸は、常に過敏な状態にさらされているわけだ。

食生活の見直しで「腸」をいたわろう

IBSの症状を緩和するには、食事療法が有効とされている。「UNILAD」では低FODMAP食が紹介されている。これは、腸内で発酵しやすく、IBSの症状を悪化させる可能性のある「FODMAP」と呼ばれる種類の糖質を制限する食事法だ。Salhab医師は「炭酸飲料、アルコール、特定の柑橘系の果物、場合によっては乳製品、揚げ物や脂肪分の多い食品を控えることをお勧めします」と具体的なアドバイス。

食後すぐにトイレに行きたくなるのは、決しておかしな現象ではない。むしろ、健康な体が正常に機能している証拠と言えるだろう。しかし、過敏な反応に悩まされている場合は、自己判断せず、専門家の意見を仰いでみてはいかがだろう。

Top image: © iStock/Liubomyr Vorona
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