健康軸から選ぶビールは「IPA」がオススメ、と医学博士

「健康維持にはビールが最適」。こう言われてたって、にわかに信じがたい。でも、海外ではビールの健康効果に関する研究が現になされていたり、科学的に立証されているものもあるそうです。

長年、高齢者医療に取り組んできた医学博士の大川章裕さんも、ビールの健康面を強調するひとり。近著『「病気知らず」の体をつくるビール健康法』(幻冬舎メディアコンサルティング)には、毎日のビールを楽しみながら実践する健康法という、お酒好きにはうれしい内容も。

とはいえ、そこはお酒。やっぱり適量あってこそ。ということで、まずはここから。

飲酒の適量とは、どれぐらいなのか

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© iStock.com/DusanManic

薬は正しく用いれば病気を治しますが、間違った使い方をすると毒になり、命を奪うことも……。ビールも同じように、アルコール飲料である以上は、飲み過ぎれば肝臓を悪くするなど健康を害してしまうのは明白です。

昔から「酒は百薬の長」というように、適量のアルコールはさまざまな健康効果を得ることができます。例えば、胃液の分泌を促して消化を助け、食欲を増進させたり、血行を良くしたりとさまざま。ほかにも、ストレス解消や睡眠促進効果がありますので、気持ちを落ち着かせて寝つきを良くします。

しかし、アルコールは飲みすぎると肝機能障害を引き起こします。一定速度で分解していくので、飲む量が多すぎたり、ピッチが速いと分解が追いつかず、アルコールが肝臓を素通りして脳に達することもしばしば。これが、脳の嘔吐中枢を刺激して、吐き気や頭痛、悪酔いなどを引き起こす原因となるのです。

では、適量とはどれくらいの量のことを指すのでしょうか。これには個人差があり、同じ人であってもその日の体調によって違いますから一概にまとめることはできません。ちなみに、厚生労働省による飲酒のガイドラインでは、「通常のアルコール代謝機能を有する日本人においては、節度のある適度な飲酒として1日平均純アルコールで20グラム程度」とされています。

これは「ビール中瓶1本」「日本酒1合」「チュウハイ(7%)350ml缶1本」に相当。やはり、ほろ酔いくらいがちょうどいいのですね。

太る原因はビールじゃない

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ビールが健康に悪影響を与えるといわれる、もう一つの原因「太ること」についてみていきましょう。

それぞれのお酒のカロリーの目安は次の通りです(※商品によって差あり)。

缶ビール淡色1本(350ml):約140kcal
中ジョッキビール1杯(500ml):約210kcal
ウイスキーシングル(30ml):約70kcal
ワイン1杯(120ml):約88kcal

お酒のカロリーは、液中に含まれるアルコールの割合で異なります。アルコールは1グラムあたり7kcalですから、炭水化物やタンパク質よりも高カロリー。基本的にはアルコール度数の高いお酒ほど、カロリーも高くなる計算です。

もちろん飲む量も気をつけなければなりません。例えば、2時間の飲み会の間に中ジョッキで5杯飲めば1000kcalを超えてしまいますし、ウイスキーでもボトルを半分空けると875kcalになる計算です。

アルコールのカロリーは、血行促進や体熱の上昇などに多く消費されるため、脂肪となって体に蓄えられることは少ないといわれています。それでも太ってしまうのは、おつまみをたくさん食べてしまうからなのです。

「健康」をキーワードに
ビールを選ぶならコレ

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© iStock.com/Olivier Blondeau

ビールは使用する酵母と発酵方法によって「上面発酵ビール」「下面発酵ビール」「自然発酵ビール」の3種類に大きく分類されます。

「上面発酵ビール」は、常温に近い温度(20度前後)で発酵させる製法で、発酵が完了する頃になると酵母がビールの液(麦汁)の上の方に浮いてきて、液面に酵母の層ができます。数週間の短期熟成型のものが多く、フルーティーな香りと豊かな風味が特徴です。発酵と熟成が早く進むため、長期貯蔵にはあまり適していません。19世紀に冷蔵庫が発明されるまでは、このタイプが主流でした。

代表的なものには、IPA、アルト、バーレーワイン、日本でよく飲まれているペールエールなどがあります。

一方、「下面発酵」は「ラガー」と称され、現在でも世界中で愛される低温貯蔵によるビールです。発酵が終わると酵母がタンク底に沈殿することから下面発酵と呼ばれています。

代表的なものに、アメリカンラガー、ウィンナー、ボックなどがあります。

そして「自然発酵ビール」は、ベルギー発祥で、空気中に浮遊している野生酵母に発酵工程を委ねた方式で醸造するビール。酸味が強いのが特徴です。

……では、ビールの特徴が分かったところで「健康」をキーワードにしてビール選びをしてみましょう。

老いや病気の原因となる体内の「酸化」を防ぐ抗酸化作用が働くという観点から、ホップや麦芽が多い……つまり苦味の強いビールがオススメです。中でも私が最も推しているのが、上面発酵のIPAです。抗酸化物質や各種の栄養素が豊富に含まれていますので、病気を予防して健康増進につなげるにはもってこいなのです。

※この内容は、書籍『「病気知らず」の体をつくるビール健康法』(幻冬者メディアコンサルティング)から一部抜粋、編集したものです。

Top photo: © iStock.com/jeka1984
Licensed material used with permission by 幻冬舎メディアコンサルティング
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