男性中心だったビール業界をひっくり返す。女性たちがつくる特別な「ビール」
華やかな香りと爽やかな苦味で、世界中のビール愛好家を魅了するクラフトビール。
その製造現場で今、静かな革命が起きている。それは多様性と社会貢献を両立させた、新しいビール造りのカタチだ。
女性農家が支える、華やかな香りの秘密
アメリカ最大のホップサプライヤーである「Yakima Chief Hops」は、毎年個性的なホップブレンド「Pink Boots Hop Blend(ピンクブーツホップブレンド)」を製造している。
同社によると、このブレンドは女性醸造家を支援する非営利団体「Pink Boots Society」への活動資金になるとのこと。2024年に製造されたブレンドには、グレープフルーツやトロピカルフルーツを思わせる、華やかな香りのホップが使われている。
なかでも注目すべきは、5代目ホップ農家であるErica Lorentz氏が所有する「Lakeside Ranches」のSimcoe®ホップだ。Lorentz氏は「女性が従来の枠を超えて、自分たちの力を発揮できる機会を提供することが重要だ」と、取り組みに賛同している。
一杯のビールがつなぐ
女性たちの未来への挑戦
「Yakima Chief Hops」は、ピンクブーツホップブレンド1ポンド販売ごとに1ドルを「PBS」に寄付している。PBSは、発酵・アルコール飲料業界で働く女性やノンバイナリーの人々を支援する団体だ。
同団体の代表であるBlanca Quintero氏は「YCHの支援は、教育機会の提供や、次世代の女性醸造家を育成するために不可欠だ」と述べている。近年、ビール業界でも女性の活躍が目立ち始めている。彼らの活動は、そんな彼女たちの挑戦を力強く後押ししているのだ。
エシカル消費が浸透する今、あなたの選択は?
環境問題や社会貢献への意識が高まるなか、商品を選ぶ基準として「エシカル消費」が注目されている。それは、地球環境や社会に配慮した消費行動のこと。
ピンクブーツホップブレンドは、まさにエシカル消費の考え方に合致した商品といえるだろう。おいしいビールを楽しみながら、女性のエンパワメントやサステナビリティにも貢献できる。そんな新しいビールの楽しみ方が今、世界中で広がろうとしている。
なんと「Pink Boots Blend」は、今年で8年目を迎えるレーベル!公式Instagramからも、多くの人がその活動に協賛し、ひとつのコミュニティを形成していることがわかります。
そういえば、女性たちがジェンダー平等を目指してビールを作る取り組みはドイツでもみられていたっけ💡
彼女たちの活動が単に「トレンド」として消費されるのではなく、恒常的な支援の輪として、社会に根付いていくことを願います。もちろん、その行く末が消費者である私たちに委ねられていることも忘れずに!