汚水からビールを醸造!?ポートランドで始まった驚きのリサイクル計画
以前、ビル・ゲイツが排泄物からつくった「水」を飲む動画を公開し話題になりました。様々なリサイクル事業が技術的に進歩している証拠でもありますが、その他にも汚水を浄化して地ビールを醸造しようという団体もいるようです。
オレゴン州ポートランド郊外で水道事業を手がける「Clean Water Services」は、地ビールメーカーに対し「下水を浄化した水でビール作りに挑戦して欲しい」と、話を持ちかけたといいます。
汚水を「浄化」した水で 地ビールを醸造
同州の地ビールクラブ「Oregon Brew Crew」は、世界的な課題である「水源の確保」に対し、汚水の利用にチャレンジしたいと前向きな姿勢を示しているよう。実際に使用された装置で浄化した水は、飲料水としての連邦基準もクリアしており、すでに多くの地区で利用されているのだとか。
昨年秋には、パイロットプロジェクトとして、テュアラティン川の水を使用した16種のビールが1,000ガロン(およそ3,800リットル)程醸造されています。 ブリュワーにもよりますが、ミネラルを追加することができる純水を利用することには大きなメリットがあるようです。なぜなら、硬水に含まれたミネラルを除去することはとても難しく、味への影響も大きいのだそう。
ビールを飲みながら 環境問題を語り合おう
汚水を飲料用の水源とするためには、消費者の環境保護の意識をさらに高めていく働きかけが欠かせません。そのため、ポートランドで醸造業を営むアート・ラランス氏は、汚水を使用したビール醸造コンテストを提案するなど、新たな取り組みも行っていくようです。
「Clean Water Services」のスポークスマン、Mark Jockers氏は以下のように語っています。
「私たちの本当の挑戦は、自然や水についてもっと語りあえる場を作ることです。語り合いには、ビールがあった方がいいものでしょう?」
「地球上で最も綺麗な水になる」と語る同氏。環境への問題意識と、浄化技術の進歩。そんなことを話し合いながら飲むビール・・・。実際にどんな味がするのか、ちょっと試してみたい気がしませんか?