「廃水」からできたビールが、未来を救う……

水は命の源だ。しかし、その水が尽きつつある現代、わたしたちは新たな水源を探し求めている。打開策の一つとなりうるのは、「リサイクル廃水から生まれたビール」かもしれない。

カリフォルニア州では、長年にわたる歴史的な干ばつにより、水をリサイクルして使うことが急務となっている。
その一環として、水リサイクル企業が地元の醸造所と協力して、廃水から作られたビール「Epic OneWater Brew」を製造している。

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Epic CleantecとDevil's Canyon Brewing Companyの共同製造によるこのビール、サンフランシスコの40階建てのアパートからリサイクルされたシャワーや洗濯、浴室のシンクの排水(グレイウォーター)を使用しているそうだ。

が、市販品として並ぶ予定があるわけではない。

Epic Cleantecは、あくまでもこれを「デモ製品」と位置づけており、水の再利用について人々の関心を集めることが真の目的のようだ。

こうした取り組みは、カリフォルニア州だけに限らない。アメリカ西部では、過剰な使用、干ばつ、気候変動により水源がひんぱんに枯渇している。対処法として、処理済みの廃水を飲料水供給に使用する「直接ポータブル再利用」が各州で提案されている現状がある。

とはいえ、リサイクル水を飲むことに誰もが最初は抵抗感を持つだろう。しかし、それが今回のような「キンキンに冷えた美味しいビール」として提供されればどうだろうか。少しでも試飲してみたい気持ちが湧いてくるかもしれない。

Epic Cleantecの共同創設者でCEOのアーロン・タルタコフスキー氏は、ビールをつくることで「水の再利用の可能性」を示したいと『The Guardian』誌に語っている。

日々、大量の輸入によって他国の水資源に頼っている日本も、決して水不足とは無縁ではない。わたしたちの直面する水問題に対して、ビールというかたちで人々の“嫌悪感”を克服し、新たな水源として「リサイクル水」を受け入れるきっかけが、今まさにつくられている。

そうしてできたこの「廃水ビール」は、これからの時代で主流になっていく“未来の味”といえるのかもしれない。

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TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。