「EcoEnd™」が起こすビール革命!サステイナブルなヒミツは缶にあり

何気なく手に取っているであろう缶ビール。その製造過程で環境に少なからず負荷がかかっていることを意識したことがあるだろうか? じつは、ビール業界も今、世界的なサステナビリティの流れのなかで大きな転換期を迎えている。

アルミ新地金使用量を41%削減!
「EcoEnd™」の秘密

その象徴とも言える出来事が、先日発表された、「アサヒビール株式会社」、「キリンビール株式会社」、「サッポロビール株式会社」、「サントリー株式会社」の大手4社による「EcoEnd™」導入だ。2025年2月から順次、環境負荷の低いこの缶蓋をビール類に採用していくという。

従来の飲料缶蓋では、製造過程で大量の電力を使用するアルミニウム新地金の使用が一般的だった。しかし、「東洋製罐株式会社」と「株式会社UACJ」が共同開発した「EcoEnd™」は、このアルミ新地金の使用量を41%削減することに成功。

その秘密は、リサイクル原料の使用率を75%にまで高めた点にある。リサイクル原料は、新地金と比べて製造時のエネルギー消費量が大幅に少ないため、CO2排出量削減に大きく貢献するそうだ。実際に、「EcoEnd™」を採用することで、従来の缶蓋と比べてGHG排出量を約4割も削減できるという。

この数字は、ビール業界全体における環境負荷低減に大きく貢献する可能性を秘めていると言えるだろう。

©サントリーホールディングス株式会社

ビール業界の挑戦は
地球の未来へのパスポート

 

今回の「EcoEnd™」導入は、ビール業界が環境問題に対して、より積極的に、そして具体的な行動を起こし始めたことを示している。

世界では、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現に向けた取り組みが加速している。日本政府も「2050年カーボンニュートラル宣言」を掲げ、産業界全体で脱炭素化への動きが活発化している状況だ。

こうした大きな流れのなかで、消費者の環境意識も変化し、企業の姿勢を厳しく問うようになっている。環境配慮はもはや企業にとって「善意」ではなく、「必須条件」になりつつある。

企業努力を評価し、環境負荷の低い商品を選択することは、私たち一人ひとりの行動を変える力となり、持続可能な社会の実現に繋がっていく。飲み終わった後も、ほんの少しだけ、地球の未来について考えてみるのはどうだろうか?

Top image: © サントリーホールディングス株式会社
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。