食用油を飛行機の燃料に?「星野リゾート」の一手に注目
国内外にさまざまなコンセプトのリゾートを展開する「星野リゾート」が、持続可能な社会を実現すべく、新たな取り組みを開始した。
星野リゾートをはじめとする4社共同で、廃棄される食用油を航空機の燃料などに再資源化するという取り組みだ。
廃食用油の提供元となる星野リゾートは、関西国際空港から1駅の場所に位置するエアポートホテル「OMO関西空港 by 星野リゾート」から、この取り組みを導入。国内施設へ順次拡大していく方針だという。
CO2、通常時の80%をカット
再資源化で生まれる航空燃料SAF
©日揮HD
今回、再資源化してできる燃料は「SAF(Sustainable Aviation Fuel)」と呼ばれる持続可能な航空燃料。廃食用油や植物・動物油脂、木質バイオマスなどを原料とし、化石燃料などから作られた従来の燃料と比べてCO2の排出量を大幅に削減することができることから、“次世代の航空燃料”とも呼ばれ、世界が期待を寄せている。
具体的には、原料が100%廃食用油の場合は、原料収集から製造・燃焼までの工程で全体で、じつに約80%のCO2を削減することができるという。
高まるSAFの重要性
星野リゾートの一手が日本を変える?
世界各国で気候変動を抑制するための取り組みが加速するなか、航空業界としてもSAF活用の重要性が高まりつつある。とりわけ、日本政府は2030年を目途に航空燃料のSAF混合率を10%にすることを目標としており、国産SAFの供給は必須。
星野リゾートが回収した廃食用油は、2024年まではバイオディーゼルの原料として活用され、2025年初頭に予定されている国産SAF製造プラントの運転開始後は、SAFの原料として再資源化される予定となっている。
人気リゾートの一手が、日本全体に波及してくれることを期待したい。
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