あなたの知らないビニール傘の行方。廃棄傘が、貴重な伝統工芸と融合した!

突然雨が降れば、ついつい購入してしまうことも多いビニール傘。実はそのほとんどが使い捨てられており、年間約8000万本が廃棄されているという現実をご存知だろうか?

しかし、もし“捨てられる運命”だったビニール傘が日本の伝統工芸と融合し、スタイリッシュなバッグに生まれ変わるとしたら……? 

廃棄から再生へ
廃棄と伝統工芸の融合

©株式会社モンドデザイン

「株式会社モンドデザイン」が展開する、廃棄ビニール傘をアップサイクルしたプロダクトブランド「PLASTICITY(プラスティシティ)」。独自の技術で防水・耐久性に優れたビニール傘の特性を活かしながら、デザイン性の高いアイテムを生み出している注目のブランドだ。

今回、PLASTICITYは世界三大織物の一つとして知られる「大島紬」とコラボレーション。廃棄ビニール傘の素材と、着物製作で生じる大島紬のはぎれを組み合わせた限定の「マルチショルダーケース」を発表した。

一点モノの価値が問いかける
「新しい豊かさ」の形

同アイテムは、先月から12月にかけて「東京都美術館」で開催されている『田中一村展 奄美の光 魂の絵画』にて製作されたもの。奄美大島の自然と力強い生命力を感じさせる田中一村の作品世界と、同ブランドの理念が共鳴したことから今回のコラボレーションが生まれている。

繊細な光沢と美しい模様が魅力の大島紬は、しなやかで軽く、古くから高級着物などに用いられてきた。しかし、着物需要の減少や後継者不足など、伝統工芸を取り巻く環境は依然と厳しい。「マルチショルダーケース」は、そんな大島紬の新たな可能性を示す、まさに時代を象徴するアイテム。廃棄ビニール傘のアップサイクルというサステナビリティと日本の伝統美を融合させることで、これまでにない価値を生み出している。

それぞれに異なる表情を見せる大島紬のはぎれと、スタイリッシュなデザインが融合した一品。それは、環境に配慮しながらも個性とこだわりを大切にする、今の時代にふさわしい選択と言えるのではないだろうか。

©株式会社モンドデザイン

👀 GenZ's Eye 👀

正直、ついつい気軽に買っちゃいがちなビニール傘の行方。毎年どれだけ廃棄されているのか、考えたことがありませんでした。けれど、私自身こうしてエシカルな意識が現実的に芽生えたこと、これこそが彼らの技術とアートが持つ力なのかもしれません──。

Top image: © 株式会社モンドデザイン
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。