「IPAをくれ。もしくは死を」。LAのクラフトビール事情

IPA=インディア・ペール・エール。

クラフトビール好きならば、この言葉に敏感に反応してしまうかもしれない。ビールらしいホップの苦みを押し出したもので、クラフトビールの主流とも言える存在。その中でも、さらに苦みとアルコール度数を高めたIPA中のIPAは「ダブルIPA」とか「インペリアルIPA」と呼ばれている。

LAのクラフトビール好きは、この「ダブルIPA」に首ったけの様子だ。

01.
LA有数のクラフトビールバー
「Beachwood BBQ & Brewing」

ロングビーチ市内に位置する、決して大きくはないブリュワー。せっかく醸造タンクを見せる内装にしておきながら、ビールのラインナップを見せるボードが邪魔をする。それほどまでにクラフトビールの種類に溢れていて、オリジナルビールのいくつかは世界的な賞も獲得している。

オリジナルのダブルIPAは、2017年2月の訪問時点で2種類あった。

 

「Hopernicus」はウェストコースト・ダブルIPAとのことで、アルコール度数10%。シトラ、コメット、エキノックス、ギャラクシー、ミレニアムといったホップを使用していて、1杯7ドル(約780円)だ。一般的なIPAを30%くらい深くしたような濃厚なコクだが、キレは抜群。ドシンとした重みのある一杯で、初めてのダブルIPAとしてもいい。

「HOPS OF FURY」は、ウェストコースト・“トリプルIPA”で、アルコール度数11%。アモリロ、シトラ、エキノックスのホップで醸造。飲み口がガツンと来る苦みの効いたホップで、これぞド直球。ビールの楽しみのひとつでもある「さやかなのどごし」とは無縁で、エスプレッソコーヒーに通じる「苦みのなかにある旨み」を見いだせる一杯。 

無数にあるタップのバルブ。これらのひとつひとつが、クラフトビールだ。

素朴なグラスで、気取らないブリュワー。

02.
IPAをくれ、もしくは死を。
「Congregation Ale House」

同じくロングビーチに位置する「Congregation Ale House」も、ダブルIPA推しだ。ここでは、FIRESTONE WALKER社のドラフトダブルIPAが堪能できる。その代表的な一杯が、「STONE」だ。

「Give me IPA、or Give me Death(IPAをくれ! さもなければ死を)」

のキャッチでIPAファンの心をわしづかみする同ビールにも、ダブルIPAが存在する。

なお、「STONE」自体はパンチの効いたIPAで、ホップよりも苦みを味わうべきシングルIPA。アルコール度数は8%。

「STONE MEGAWHEAT」は、さらにウィートを効かせたダブルIPAで、アルコール度数8.4%。ホワイトビールを好むようなクラフトビール好きにも勧められる懐の深さが魅力。

同店タップの「CAFE RACER」は、ダブルIPAのなかでもごくごくいけちゃう喉ごしだけど、アルコール度数は9%。うっかり飲み過ぎると、しっかり翌日に残る。

多くのブリュワーで、試飲が可能。どのダブルIPAもアルコール度数が高いので、まずは試飲して「今日のお目当て」を決めてから対峙しよう。

03.
スーパーにも、ダブルIPAが立ち並ぶ

こちらは、大手オーガニックスーパーの「ホールフーズ・マーケット」。ダブルIPAを探そうと思えば、十数種は発見できる。ビックリするくらい値段は張るけれど、滞在先のホテルでの寝酒にいいかもしれない。

ちなみに日本では、箕面ビールなどでダブルIPAがラインアップされている。

Photo by 稲垣正倫
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。