共感から行動へ。「Tinder U」が切り拓く、大学生の出会いの新時代
調査会社「One Poll」が、日本人18歳~25歳1000人を対象に実施したインターネット調査によると、74%がデーティングアプリを通じて意義のある関係を築いた経験があると回答したそう。もはやアプリでの出会いは、Z世代にとって当たり前のものとなりつつある。
そんななか、マッチングアプリ大手「Tinder」が、大学生向けの新機能「Tinder U」を日本でリリースした。大学生は、この機能を使ってどのように出会い、関係性を築いていくのだろうか。
「Tinder U」
シンプルな登録で広がる出会いの輪
Tinder Uの主な特徴は以下。
学内・学外の学生とつながれる:自分の大学の学生だけでなく、近隣の大学の学生ともマッチング可能。
共通の趣味や関心で出会える:学部やサークル活動、興味関心を通じて、気の合う仲間を見つけやすくなる。
大学生限定の安全な環境:大学のメールアドレス認証によるセキュリティで、安心して利用可能。
Tinder U限定のイベントや特典:学生向けの特別なカフェイベントなどに参加可能。
これら、従来のTinderアカウントに大学のメールアドレスを登録するだけで、すぐに利用開始できるという点もポイントだ。プロフィールには大学名や学部、サークル情報などが表示され、共通のバックグラウンドを持つ学生同士のマッチングを促進する仕組みらしい。
「これまでたくさんの大学生と接してきましたが、彼らから悩みとしてよく出てくるテーマは『人との出会い』です。友達や恋人をつくるということに留まらず、勉強や推し活、カフェ巡りなどさまざまなシーンで、自分と同レベルのモチベーションや熱量を共有できる仲間に出会うことに苦戦している印象です」。
こう語るのは、若者マーケティング機関「SHIBUYA109 lab.」所長の長田麻衣氏だ。
出会いの先に待つ、新しいコミュニティの形
Tinder Uは、単なる恋愛マッチングアプリという枠組みを超え、大学生活を豊かにするプラットフォームとしての可能性を秘めている。
恋愛はもちろんのこと、友人づくり、サークルや勉強仲間探し、将来のビジネスパートナーとの出会いなど、Tinder Uは多様なニーズに対応できる柔軟性を備えている。共通の趣味や価値観を持つ仲間と出会うことで、大学生活はより刺激的で実りあるものとなるはず。
恋愛事情専門家でコラムニストの神崎桃子氏は、以下のように指摘する。
「Z世代はリアルの環境や普段の生活では会えない人とつながることを求めています。イマドキの恋愛は『広くつながりその中から選ぶ』という思考が強く、まずは多くの人と出会うことを楽しむ傾向があります。だからこそ『この人がいい』と選ばれるように、相手の心に響くメッセージを残すことが、恋愛での成功のカギになるでしょう」。
コロナ禍でオンラインコミュニケーションが一般化したことで、リアルな人間関係の希薄さに悩む学生も少なくない。Tinder Uは、オンラインとオフラインの接点を提供することで、現代の大学生が抱える社会的な課題にもアプローチできる可能性を秘めている。
膨大なユーザーベースと革新的な機能を持つ「Tinder」は、Tinder Uを通じて、大学生のコミュニケーションスタイル、ひいては大学生活そのものを大きく変えていくかもしれない。