「好き」の表現はもっと自由に。「MLM」「WLW」……進化するLGBTQ+の言葉が示すもの

「彼氏・彼女」といった言葉が、恋愛のスタンダードとして認識されつつも、どこか窮屈さを感じている人は少なくないはず。 そんななか、オンライン上のコミュニケーションでは既存の枠組みにとらわれない、多様な恋愛観やセクシュアリティを表す言葉が生まれている。

今Z世代から注目を集めるネットスラング「WLW」を糸口に、変化し続ける「好き」の表現を探っていく。

より複雑に、より多様に
LGBTQIA+を取り巻く言葉の変化

英メディア「Pink News」によれば、「WLW」とは“Women Loving Women”の略語。言葉通りに解釈すれば「女性を愛する女性」を指すが、一般的に「WLW」は、性自認や性的指向に関わらず女性を愛するすべての人を包括的に表した言葉として、LGBTQIA+コミュニティで広く受け入れられているんだそう。

同じ形式を用いて「MLM(男性を愛する男性)」「NBLNB(ノンバイナリーを愛するノンバイナリー)」や「NBLW (ノンバイナリーを愛する女性)」といった言葉も生まれている。このように、LGBTQIA+の人々を取り巻く言葉はより複雑に、そしてより多様に進化を続けていることがうかがえる。

言葉のアップデートで
インクルーシブな社会へ

「WLW」に限らず、近年は「パンセクシュアル」「ノンバイナリー」など、従来の性的指向や性自認のカテゴリーに収まらない言葉が次々と生まれている。 特に、Z世代を中心に利用が広がるTikTokなどのSNSでは、「#WLW」のハッシュタグと共に、自身の恋愛観やアイデンティティを積極的に発信する若者の姿が見られる。固定概念にとらわれず、自分らしい言葉で「好き」を表現できることは、オンライン空間ならではの大きな魅力と言えるだろう。

また、これらの言葉の広がりは私たちに「恋愛」や「性」に対する固定概念を問い直し、より柔軟な視点を持つことの大切さを教えてくれる。男だから、女だから、といった枠組みにとらわれず、自分自身の感覚を大切にすること。そして、周囲の人の「好き」という気持ちを尊重すること。

「WLW」は、これからの時代の「愛」のカタチを模索するひとつのキーワードになるかもしれない。

👀GenZ’s Eye👀

従来の「彼氏・彼女」という枠組みだけっていうのは、もう古い考え方かもしれませんね。「WLW」は、固定概念にとらわれない柔軟な恋愛観を促し、多様化する社会における「好き」の表現の自由さをもっと広げてくれるのではないでしょうか。

Top image: © iStock.com/Vanessa Nunes
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。