詩はもっと自由でいい。「くだらない」が人生を変える、意外な効果

「バラは赤 / スミレは青 / あなたがいなくて / とても寂しかった」

これは、アメリカ元大統領のジョージ・W・ブッシュが公務中、海外に訪問していたローラ夫人に贈った詩。

「よく意味がわからない」と感じた人もいるかもしれません。けれど、詩というのはいつでも芸術的である必要はないようなのです。完璧である必要もなく、むしろ型破りであるくらいのほうが、詩の持つ可能性を広げるといったことも……。

詩は高尚であるべきか?
「くだらない」詩がもつ可能性

詩に対して「芸術的で難解なもの」「選ばれた人が書くもの」といったイメージを抱く人は多いはず。しかし、はたして本当にそうでしょうか?

子ども向けの詩の著者として長年活動するジャネット・ウォンさんは「詩は常に芸術的である必要はない」と断言しています。いわく、たとえくだらない詩でさえ人の心を動かす力を十分に持っている、と。

ウォンさんは子どもたちに詩の楽しさを伝えるために、ユーモラスな詩を積極的に授業に取り入れています。その結果、おもしろい詩は子どもたちの集中力を高め、学習意欲を高める効果があることを実感したんだとか。

「楽しい時間は、子どもたちを惹きつける。そして、楽しい詩は彼らを笑顔にする。子どもたちが笑顔であれば、最高の学びが生まれるのです」とウォンさん。

創造性を解き放つ"詩の処方箋"

現代社会は、つねに情報過多でストレスフル。だからこそ、私たちはもっと"くだらない"詩の力を借りるべきなのかもしれません。

『Humor, Seriously: Why Humor Is a Secret Weapon in Business and Life』の著者であるジェニファー・アーカーさんとナオミ・バグドナスさんは、「遊び心のある文化は、困難な状況においてもチームを成功に導く」と述べています。

詩を通してユーモアを取り入れることは、自分自身の心を軽くするだけでなく、周囲の人間関係を円滑にし、よりよい環境を作るための有効な手段となり得るのです。詩の形式にとらわれず、五七五のリズムに乗せてみたり、韻を踏んでみたり。日々の出来事や感情を言葉で表現するだけで、心が軽くなるのを感じられるはず。

例えば、「今日のランチ、パスタ美味しかった/モチモチ麺とソースのハーモニー/午後も頑張れる気がしてきた」とか。こんな日常の些細な出来事を題材にしてもOKということ。

創造性を解き放ち、あなただけの"詩の処方箋"を見つけ出してみてはいかがですか?

👀 GenZ's Eye 👀

“ユーモア”が困難を乗り越えるための重要なツールであることに、強く共感します。AIには捉えられない風景や、目の前の些細な出来事を詩に昇華することで、私たちはそれらをより深く大切にできるのではないでしょうか?

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TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。