20代でおさえておきたい! 世界3大投資家の考え方<バフェット、ソロス、ロジャーズ>
目次
将来のことを考えると、就職、キャリア、副業、お金…いろんなことが頭に浮かんで、なんだか不安になる。SNSを開けば情報は山ほど流れてくるけれど、どれを信じればいいのかわからなくなる。そんな気持ち、ありませんか?
不確実な時代を生き抜くヒントは
伝説的投資家たちにあった
実は、世界で最も成功したといわれる3人の投資家――ウォーレン・バフェット氏、ジョージ・ソロス氏、ジム・ロジャーズ氏も、常に“不確実な未来”と向き合いながら意思決定をしてきました。
彼らの哲学は「お金を増やすテクニック」というより、変化の時代を生き抜くための“人生の判断軸”として役立つもの。 就活の迷いや副業への挑戦、SNS疲れ…Z世代が抱えるリアルな悩みにも応用できるヒントが隠されています。
そもそも「世界3大投資家」ってどんな人たち?
ここで紹介する3人は、それぞれ全く異なる個性と哲学を持っています。彼らがどのような人物で、なぜ「伝説的な投資家」と呼ばれるようになったのか。まずはそのプロフィールを覗いてみましょう。

ウォーレン・バフェット:
ぶれない哲学を貫く「オマハの賢人」
ウォーレン・バフェット氏は、一貫して「長期投資」のスタイルを貫くことで知られています。自身が理解できる優れたビジネスを見つけ、その企業の株を長期間保有し続けるのが彼のやり方。
流行を追わず、自分が住むネブラスカ州オマハから世界経済を見つめ続けるその姿から、「オマハの賢人」として世界中の投資家から尊敬を集めています。そのシンプルな哲学は、投資の世界を超えて多くの人々に影響を与え続けているのです。
ジョージ・ソロス:
市場の常識を覆す「イングランド銀行を潰した男」
ジョージ・ソロス氏は、大胆な戦略で知られ、特に1992年のポンド危機で英国の中央銀行であるイングランド銀行を相手に空売りを仕掛け、莫大な利益を上げたことから「イングランド銀行を潰した男」の異名を持ちます。
彼は、経済は常に人々の期待や偏見によって動くという「再帰性」の理論を提唱し、市場の常識の逆を行くことで成功を収めてきました。また、慈善家としても有名で、その思想は社会活動にも反映されています。
ジム・ロジャーズ:
自分の足で世界を駆ける「冒険投資家」
ジム・ロジャーズ氏は、ソロス氏と共に伝説的なヘッジファンド「クォンタム・ファンド」を設立した後、バイクで世界中を旅した「冒険投資家」として知られています。
彼の信念は、ニュースやレポートに頼るのではなく、自らの足で現地を訪れ、自分の目で見て肌で感じた情報こそが最も価値があるというもの。その冒険的なライフスタイルと、常識にとらわれない独自の視点は、多くの人々に新しい世界の見方を提示しています。
①ウォーレン・バフェット
「シンプルさ」を極めた正直な哲学

情報の洪水の中で、私たちはどう判断すればいいのでしょうか。バフェット氏の哲学は、複雑な問題を驚くほどシンプルに捉え直すことで、本質を見抜く力を与えてくれます。
自分が本当に理解できることだけで勝負する
バフェット氏は「能力の輪」という考え方を大切にしています。これは、自分が得意で、深く理解している範囲の中だけで行動し、その輪の外にあるものには手を出さないという考え方。
情報や選択肢が無限に見える現代では、つい新しいものに飛びつきたくなりますが、彼に言わせればそれは危険なこと。まずは自分が何を知っていて、何を知らないのかを正直に見極める。「正解」を探すより、「自分がよくわかっているものは何か?」を軸に選ぶ。その方が、長期的に納得できる選択につながるはずです。
時間を味方につける「複利」の考え方を人生に応用する
「複利」とは、利息が利息を生む雪だるま式の発想ですが、バフェット氏はこの力を誰よりも信じています。そしてこの考え方は、お金だけでなく知識やスキル、人からの信頼にも応用できるのではないでしょうか。
周りにいる「一瞬で成果を出す同世代」に焦りを感じることもあるかもしれません。しかし本当に大切なのは、一夜で伸びることではなく、日々の積み重ね。それが将来、大きな差となって表れるのです。
就活や仕事でも、派手な実績より誠実な努力を続けてきた人の方が信頼されます。短期的な評価に振り回されず、長期的に積み上がるものを意識してみましょう。
目先の利益よりも長期的な信頼を大切にする
バフェット氏は、投資先の企業のビジネスモデルだけでなく、その経営者が信頼できる人物かどうかを非常に重視します。短期的な利益を追いかけるのではなく、長期的に価値を生み出し続ける誠実なパートナーシップを求めるのです。
これは、私たちのキャリアや人間関係にも通じる考え方ではないでしょうか。一時的な成功や評価に惑わされず、長期的に信頼し合える関係を築くこと。その積み重ねが、より豊かで安定した人生につながっていくはずです。
②ジョージ・ソロス
常識を疑い「間違い」から学ぶ逆転の発想

「みんなが正しい」と思っていることは、本当に正しいのでしょうか。ソロス氏の思考法は、当たり前を疑い、変化の波を乗りこなすための、しなやかな視点を教えてくれます。
みんなが熱狂している時こそ、一歩引いて考えてみる
ソロス氏の哲学の核には「再帰性」という理論があります。これは、人々の期待や思い込みが現実の経済を動かし、その動いた現実がさらに人々の期待を増幅させる、という循環を指します。
SNSで常に「流行」にさらされる今の時代、フォロワー数や“バズること”に価値が置かれがちな環境では、冷静に自分の判断を保つのはなかなか難しいもの。だからこそ、ソロス流に「熱狂の中で一歩引く」姿勢が大切です。
話題の副業や急成長しているサービスに飛びつく前に「これは本当に続く流れなのか?」と疑ってみる。周囲の熱気に飲み込まれない視点が、失敗を避け、逆にチャンスを掴むきっかけになるのです。
自分の「間違い」を認められることこそが成長のカギ
多くの人は、自分の間違いを認めるのが怖いものです。しかしソロス氏は「私は間違うから成功できる」と語ります。立てた仮説が違っていたと気づいたら、すぐに撤退する。その柔軟さが彼を大きな成功へ導きました。
特にZ世代は「失敗できない/失敗したくない」とついつい考えがち。新しい挑戦に興味があっても「失敗したら取り返しがつかない」と躊躇してしまうこともあるかもしれません。でもソロス的に言えば、間違いはむしろ次の成長の材料。大切なのは、間違うことそのものではなく、間違いから何を学び、次にどう活かすか。その柔軟な姿勢こそが、不確実な世界で生き残るための強さになるのかもしれません。
お金はより良い社会を実現するためのツールにもなる
ソロス氏は慈善家としても知られ、私財を投じて人権や教育を支援してきました。彼にとってお金は、ただの消費や自己満足の道具ではなく「社会を変える手段」だったのです。
「稼ぐ」ことと「社会のためになること」を切り離すのではなく、「どんなお金の使い方が自分らしい意思表示になるか」を考えることは、自分らしいキャリアやライフスタイルを形にする大切なヒントになるのです。
③ジム・ロジャーズ
自分の目で見て「情熱」に従う生き方

机の上で考えているだけでは、何も始まらない。ロジャーズ氏の生き方は、自ら行動し、体験することの価値と、自分の「好き」を突き詰めることの強さを教えてくれます。
最高の一次情報はインターネットの中にはない
ロジャーズ氏は、誰も注目していなかった国や商品に投資して成功しましたが、その判断材料はアナリストのレポートではありませんでした。彼自身がバイクで世界中を走り回り、現地の空気を感じ、人々と話す中で得た「一次情報」です。
ネットから膨大な情報が簡単に手に入る今、私たちはついなんでも分かった気になりがちです。しかし、本当に価値のある洞察は、現場に足を運び、自分の五感で感じ取ることの中に眠っているのかもしれません。
歴史を学ぶことで未来に起こることのヒントを見つける
「歴史は韻を踏む」という言葉があるように、過去に起きたことは、形を変えて何度も繰り返されます。ロジャーズ氏は、歴史書を読み解くことで未来の大きなトレンドを予測しようとします。
今の変化の速さに圧倒され、「将来を描けない」と悩んでしまう人は少なくないかもしれませんが、日々のニュースに一喜一憂するのではなく、もっと大きな時間軸で物事を捉えてみる。すると、今起きていることの本当の意味や、これから向かう先が見えてくるかもしれません。
寝食を忘れるほど好きなことが最大の武器になる
「自分が情熱を持てることだけをやりなさい」。
これはロジャーズ氏が一貫して主張するメッセージ。自分が本当に好きで、時間を忘れるほど夢中になれること。それこそが、誰にも真似できないあなただけの専門性となり、人生を切り拓く最強の武器になる、と彼は教えてくれているのです。
思考を「知識」で終わらせない
日常で試せる3つのアクション
彼らの壮大な哲学も、日常の小さな習慣から実践できます。ここでは、明日から試せる3つのアクションをご紹介。
「能力の輪」を意識して、今週やらないことを1つ決める
バフェット氏のように、自分の集中すべき領域を見極める練習です。情報や誘いが多すぎるなら、一度立ち止まり、自分の目標に合わないことを意識的に「やらない」と決めてみましょう。それだけで、大切なことに使う時間とエネルギーが生まれるはずです。
みんなが「いいね」と言うニュースの前提を疑ってみる
ソロス氏のように、物事を批判的に見る訓練です。話題のトピックに対し、「なぜこれは話題になっている?」「反対の意見はないか?」と自問自答し、能動的に調べてみましょう。情報の受け取り方が、きっと変わってきますよ。
週末に、普段行かない場所へ「小さな冒険」に出かける
ロジャーズ氏のように、一次情報を取りに行く体験をしてみましょう。ネットの評判だけに頼らず、自分の足で近所の新しいお店や公園を訪れてみてください。画面の中にはなかった発見が、あなたの世界を少しだけ広げてくれるかもしれません。
お金よりも大切な
“思考の投資”を始めよう
世界3大投資家と呼ばれるバフェット氏、ソロス氏、ロジャーズ氏が教えてくれるのは、単なるお金の増やし方ではありません。彼らが実践してきた思考の習慣や哲学は、今を生きる私たちの人生にも応用できるヒントにあふれています。
自分が理解できることに集中する。
常識を鵜呑みにせず、一歩引いて考える。
情熱を持てることに素直になる。
———変化が激しく、答えのない時代において、自分なりの判断軸や価値観を育てていくことは、何よりも大切な投資なのかもしれません。
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