スマホを10分間預けると無料のアイスティー。異色の自販機が登場
アイスティーブランドのPure Leafが、ニューヨークの街中にユニークな自動販売機を設置した。
この自動販売機は、スマートフォンを預けると、代わりに無料のアイスティーが出てくる仕組み。預けたスマートフォンは10分間、ガラスパネルの向こうにロックされるという。
「物理的に」休憩を促す
この『The Break Machine』と名付けられた企画は、エージェンシーのEdelmanとPure Leafによるもの。
Pure Leafの調査によると、アメリカの労働者の81%が「休憩は精神状態に良い」と同意しているにもかかわらず、実際に日中に休憩を取っているのはわずか37%だったという。
人々が休憩を取りたいと思っていても、なかなか実行に移せない現状を踏まえ、同ブランドは最も大きな注意散漫の原因であるスマートフォンを物理的に取り除くという手法を考案した。
ペプシ・リプトン・パートナーシップのVPであるZach Harris氏は、「スマートフォンを本物の淹れたてアイスティーと交換することで、休息と活性化の瞬間を創出した」と語っている。
離脱症状か、テスト中に壊す人も
『thedrum』の記事によると、この企画には社会実験のような側面もあったようだ。
自動販売機に近づく人々は、ためらいや好奇心、中にはパニックのような反応を示すケースもあったという。
さらに、事前のテスト段階では、スマートフォンから離れることに耐えられなかったのか、何人かが機械を壊してしまう事態も発生したことが伝えられている。
Edelmanのエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター、Jesse Suchmann氏は、「休憩を取ることが過激に感じられるべきではない」とコメントしている。
拡散するローテクな解決策
この自動販売機の様子を撮影した映像はソーシャルメディアで注目を集めており、ハイテクな問題に対してローテクな解決策を提示したとして、ブランドを称賛する声が上がっているという。
この取り組みは、Pure Leafが展開する「Tea Break」キャンペーンの一環。以前はリンジー・ローハンを起用していたが、今回はより実践的なアプローチに転換した形。
この自動販売機は、説教やライフスタイルの押し付けではなく、アイスティーを片手に、スマートフォンを持たずに待つ時間を提供するというシンプルな手法で、人々の行動変容を促しているのかもしれない。






