アメリカの若者が「中国人化」を目指す謎のトレンド『Chinamaxxing』が拡大。自国への失望から共産圏の生活をロマン化する異様な光景。
アメリカの若年層の間で、中国の文化や生活習慣を極端に模倣する新しいトレンドが注目を集めている。
これは『Chinamaxxing』と呼ばれ、TikTokなどのソーシャルメディアを通じて急速に拡散している現象だという。
単なるファッションの流行に留まらず、自国の政治や社会に対する強い不満が背景にあると分析されている。
生活習慣の模倣から始まるアイデンティティの転換
SNS発の『Chinamaxxing』と呼ばれるトレンドは、米国の若者が中国的なライフスタイルを意図的に取り入れる現象を指すらしい。
具体的には、朝に白湯を飲む習慣や、キッチンでの太極拳、さらには北京の高齢男性を意識したアディダスのジャージ着用などが挙げられる。
彼らは「人生の中国期を迎えた」と公言し、箸の扱いを磨くなど、日常の細部までを中国風に染めていくという。
一見すると無害なパロディやユーモアに見えるが、その根底にはアメリカ人としてのアイデンティティを捨て去りたいという切実な願望が投影されているようだ。
人気配信者の発言が加速させる政治的な傾倒
この流行の火付け役の一人と目されるのが、若者に多大な影響力を持つ配信者の Hasan Piker 氏だ。
彼は実際に中国を訪れ、現地の様子をライブ配信することで、中国の統治体制を理想的なものとして称賛したという。
天安門広場からの配信では、アメリカに対する愛国心は皆無であると公言し、多くのフォロワーに衝撃を与えた。
アメリカに対する誇りを持つ若者が4割程度にまで減少している現状が、この奇妙な逃避行を後押ししているのかもしれない。
ソーシャルメディア上のロマン化と厳しい現実の乖離
一方で、このトレンドが中国の抱える人権問題や厳しい言論統制から目を背けているとの批判も根強い。
ウイグル族への弾圧や香港における自由の剥奪といった事実は、SNS上の華やかな映像の中では巧妙に隠蔽されている。
インターネット上の自由が制限され、政府への批判が許されない監視社会の実態を、流行を追う若者たちは軽視している恐れがある。
他国の文化を称賛する行為そのものは自由だが、独裁体制を無批判に美化する姿勢はあまりにナイーブすぎるとの指摘も出ている。
アメリカ国内の閉塞感から逃れるための「コスプレ」が、結果としてプロパガンダに利用されるリスクを懸念する声は少なくない。






