白馬五竜の「整備用バギー」が、夏の冒険になった

株式会社五竜が発表した、白馬五竜の新しい夏の遊び「GORYU MORIMORI ADVENTURE」。注目したいのは、目玉のバギーツアーがもともとゲレンデ整備用の作業車両だったという出自です。裏方の道具が観光客の冒険に変わる——その逆転が痛快で、つい気になりました。

白馬五竜の森の中をPolaris RZRバギーで走る親子連れ。先頭車両では母親がハンドルを握り子どもが助手席に座る。背後の杉林の緑が深い。
© 株式会社五竜

「これ、お客さんが乗ったら楽しいのでは?」

緑の草木が生い茂るゲレンデ跡のコースを一列に進む複数台のPolaris RZRバギー。先頭には母親と子どもが乗り、後続車両が続く。
© 株式会社五竜

白馬五竜といえば、冬は「エイブル白馬五竜」としてスキーヤーに親しまれ、春から秋にかけては標高1,515mに約300種・200万株が咲く日本最大級の高山植物園を運営している場所。昭和45年の創業以来、東洋初のテレキャビン(ゴンドラリフトの一種)を導入したり、国内スキー場で唯一ISO14001(環境マネジメントの国際規格)を取得したりと、先駆的な取り組みで知られてきました。

そんな白馬五竜のスタッフが、日常的にゲレンデ整備で乗り回していたバギーに「これ、お客さんが乗ったら楽しいのでは?」と気づいたのが今回の出発点だそうです。県外のバギー導入済みスキー場への視察も重ね、2025年6月に経営統合した「いいもりゲレンデ」の地形を活かしてコースを新設。サービス名の「MORIMORI」は、いいもりの「森」と「元気モリモリ」を掛けたもの。ネーミングにも肩の力が抜けた遊び心がにじんでいます。

バギーツアーは2人乗りのガイド同行ツアー形式で、駐車場で操作を練習してから体験コース、そして高低差やカーブのある上級コースへとレベルを上げていく設計です。普通自動車運転免許があれば運転でき、免許保持者が助手席にいれば10歳以上・身長130cm以上のお子さんでもハンドルを握れるとのこと。

山でペイント弾を撃って大丈夫?

防護マスクを着けた子どもがペイントボール用マーカーを構えている。背後にはもう一人のプレイヤーも見える。
© 株式会社五竜

もうひとつの新アクティビティが、白馬エリア初導入となるペイントボール。アメリカ生まれの対戦型アウトドアスポーツで、まずは的を狙うシューティング形式からスタートし、9月以降にはバトルフィールドでの対戦型も予定されています。

山の中でペイント弾を撃って環境は大丈夫なのか——気になるところですが、同社によれば使用するインクは水溶性かつ植物性原料で、雨に流れ、太陽光で白くなって自然に還る素材を採用しているそうです。再生可能エネルギー100%で営業してきた白馬五竜らしい選択でしょう。

夏の道が冬のツリーランに変わる

草が茂る夏のゲレンデ斜面を後方から捉えたPolaris RZRバギー2台。緑の草地と丘陵の地形がスキーコースの面影を残している。
© 株式会社五竜

個人的にいちばん面白いと感じたのは、バギーコースが冬になると子ども向けのツリーランコース(森の中を滑るスキーコース)に転用される計画がある点です。夏のために作ったものが冬にも活きる。逆に言えば、冬のゲレンデという既存資産が夏の冒険を生んでいる。季節ごとに「別の施設」を作るのではなく、同じ地形と道具の意味を読み替えることで通年の価値を引き出しているわけです。

「白馬=冬にスキーをしに行く場所」。多くの人がそう思っているかもしれません。でも、整備用のバギーが冒険の乗り物に変わったように、見慣れた場所の「使い方」をひとつずらすだけで、まったく違う景色が立ち上がることがある。この夏、白馬に行く理由がひとつ増えたのかもしれません。

GORYU MORIMORI ADVENTURE

【バギーツアー】
営業期間……2026年7月17日〜10月18日
もりもりコース(所要90分)……1台2名 7,900円/1名 6,500円
体験コース(所要40分)……1台2名 4,900円
ファミリーパック(体験+もりもりコース)……2台4名 22,800円
運転条件……普通自動車運転免許保持者(免許保持者同乗で10歳以上・身長130cm以上から運転可、同乗は6歳から)

【ペイントボールシューティング】
営業期間……2026年7月31日〜10月18日(9月よりバトルフィールドも予定)
料金……50発 大人2,000円/小人1,500円、追加50発 1,800円
体験条件……8歳以上

【公式サイト】白馬五竜

Top image: © 株式会社五竜
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