令和のカラオケはここまで進化している。エンタメの新たな集合地
「カラオケ=歌うところ」。そのイメージは、もう半分くらいしか正しくないのかもしれません。
リモートワークの拠点として使う。
推しのライブ映像を持ち込んでオフ会をする。
爆音で楽器の練習をする。
歌わずともカラオケボックスへ——そんな使い方が、いまや珍しくありません。
2026年4月、JOYSOUNDを運営する株式会社エクシングは、動画配信サービス「U-NEXT」を擁するUSEN&U-NEXT GROUPに加わりました。カラオケと動画配信サービスが連携することで、私たちのカラオケ体験はどう変わっていくのでしょうか。広報の栗原直哉氏に話を聞きながら、変わりゆく「エンタメの新たな集合地」としてのカラオケの現在地を探りました。
「歌う空間」から「見る空間」へ
そもそもJOYSOUNDは、どのような経緯でUSEN&U-NEXT GROUPに加わったのでしょうか。
エクシングはかつて、「カラオケUGA」を展開していた老舗カラオケメーカーであるBMBと統合し、JOYSOUNDのブランドを広げてきた歴史を持っています。以来、歌うにとどまらない新しい楽しみ方を次々と提案し、近年はカラオケルームにおける動画配信サービスの拡充に力を入れてきた同社。豊富なライブラリを誇る「U-NEXT」などを擁するUSEN&U-NEXT GROUPへの参画は、まさに自然な流れだったと言えるのかもしれません。
栗原氏が今回の連携で大きな期待を寄せるのが、相互のシナジー効果による「動画コンテンツのさらなる拡充」です。思い描くのは、〈カラオケルームで観たいものが何でも観られる〉という世界。歌うための部屋が、映画もアニメもライブも楽しめる“防音付きの個室シアター”へと近づいていきます。
また、カラオケルームの外の市場にも目を向けています。全国のスナックやバーといった顧客ネットワークを活かした「店舗DX」や、さらにホテルや飲食店のほか、老人ホームのようなヘルスケア施設といった領域での展開の強化も視野に含まれています。
カラオケで「歌う」ことから生まれた楽しさやノウハウは、いまやカラオケルームを飛び出し、街のあらゆる場所へと広がろうとしています。
ボーカルレッスン、ライブビューイング。
拡張するカラオケ体験
利用シーンの変化を象徴的に物語る1つが「利用時間の移り変わり」です。
コロナ禍以前、カラオケの売上を支えていたのは、いわゆる「二次会」利用でした。飲み会のあと、みんなで流れ込むあの光景です。ところがコロナ禍を経て、昼の時間帯の利用率が伸びているそうです。
その中身も、リモートワークからオフ会、楽器練習まで多彩で、「歌わない利用」の割合は着実に増えているとのこと。JOYSOUND側も、別々の部屋をオンラインでつなぐシステムを活用した「ボーカルレッスン」を展開するなど、従来の“歌う” にとどまらない価値を積極的に設計しています。
このようななか、「U-NEXT」との連携によって特に力を注いでいるのが、音楽のライブビューイングです。最近では、Mrs. GREEN APPLEの横浜公演などが配信され、話題になりました。さらにコンテンツは音楽だけに留まりません。「U-NEXT」が全試合を独占配信する、イングランドのプロサッカー「プレミアリーグ」の注目試合の生中継も実施されています。
会場の熱狂を、気心の知れた仲間と少人数の個室で共有する。大声を出しても飛び跳ねても周りに気をつかう必要はありません。ライブ会場ともお茶の間とも異なる“第三の観客席”が、いまカラオケルームの中に誕生しています。
いまやカラオケボックスは、周囲の音を気にせず自由に過ごせる「なんでもできるプライベートな個室」へと進化を遂げています。

歌う場所から、見る場所へ。
二次会の締めから、昼のワークスペースへ。
ソロの集中空間から、ライブの“第三の客席”へ。
カラオケボックスという小さな個室は、いつのまにか驚くほど多くの顔を持つようになっています。「歌うためのサービス」から「個室で楽しむエンタメのプラットフォーム」へと姿を変えつつあります。






