Netflixの次なる標的は、なんとYouTuber?エンタメ覇権を巡る新たな戦いが幕を開ける…
映画やドラマのストリーミング戦争で頂点に立ったNetflix。
しかし、彼らの目はすでに次の戦場を捉えている。その相手は、YouTubeやTikTokで世界的な人気を誇るトップクリエイターたちだ。
エンターテインメントの巨人が、なぜ今、個人が発信するコンテンツに熱い視線を送るのだろうか。
最大の敵はYouTube、テレビ画面の覇権争い
Netflixの共同CEO、Ted Sarandos氏が「我々の本当の競争相手はYouTubeだ」と語ったことは、もはや業界の共通認識。
特に、リビングのテレビ画面での視聴時間において、YouTubeはNetflixを凌駕しているというデータもある。
1兆ドル企業という壮大な目標を掲げるNetflixにとって、この巨大な視聴者層を自社プラットフォームに取り込むことは、避けて通れない課題。
彼らが目指すのは、映画からゲーム、そしてクリエイターコンテンツまでを網羅する“エンタメのワンストップショップ”の完成なのだ。
高額な前金か広告収益か、クリエイター獲得の現実
その野望を実現するため、Netflixはトップクリエイターやビデオポッドキャスターに対し、YouTubeなどでの公開前に独占配信するという条件で、高額な契約金を提示しているらしい。
キッズ向けの人気チャンネル「Blippi」や「Ms. Rachel」、アニメシリーズ『The Amazing Digital Circus』など、いくつかの契約はすでに成立。
しかし、多くのトップクリエイターにとって、YouTubeが提供する広告収益分配モデルは非常に魅力的。一度きりの高額な契約金よりも、継続的な収入源を手放すことに、彼らは慎重な姿勢を見せているとのこと。
人気番組「Hot Ones」との交渉も伝えられており、プラットフォームとクリエイターの間の綱引きは続いているようだ。
クリエイターが覇権の鍵を握るプラットフォーム戦国時代
このクリエイター争奪戦に乗り出しているのは、Netflixだけではない。
Amazonは、世界一のYouTuber、MrBeastと大型契約を結び、Prime Videoでの新番組を始動させた。NBCUniversal傘下のPeacockも、人気クリエイterによる脚本番組を複数制作し、広告収益の分配まで検討しているという。
デジタルクリエイターを起用した新番組は、すでに25本以上が発表・公開されているとの情報もある。もしNetflixが、この激しい競争を勝ち抜き、トップクリエイターたちとの独占契約に成功すれば、それは視聴者だけでなく、現在YouTubeに記録的な規模で流れ込んでいる広告収入をも奪い取る可能性を秘める。
エンターテインメントの未来は、個の才能をいかに自陣に引き込めるかにかかっているのかもしれない。






