読んだら忘れない読書術「4つのポイント」 賢い人ほど”最後” から・・・
本は「学び」と「気づき」を得るために読むもの。いまいちその効果が感じられないという人は、読書の「設計図」が描けていないのです。ここでは、自著『読んだら忘れない読書術』から、効果的な読書法を紹介します。
01.
一番知りたい部分はどこか
最初に「目的地」を把握する
本は、最初から一字一句読んだほうがいいのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。例えば、一般的な本を1ページ目から順番に2時間かけて読んでいくと、自分が最も知りたい部分に到達するまでに1時間以上はかかります。それでは、本を読むモチベーションも、気づきに対する吸収力も低下してしまうのです。
本は、「学び」や「気づき」を得るために読むもの。ですから、自分にとって、最適な読み方をすれば良いのです。目次を見て「ここ読みたい!」「ここおもしろそう!」と、知的好奇心が刺激されたなら、そのページにワープしてOK。本の中で一番知りたいことは何かを考え、その「結論」が書かれている部分に飛んでしまいましょう!最初に「目的地」を把握することで、何倍も早く目的のページに到達できます。全体のアウトラインをつかんでいれば、論旨が見えているので、頭から一字一句読むのに比べて、圧倒的に読むスピードが速くなります。
02.
読めるか読めないか
「ギリギリの難易度」を設定する
あなたがテレビゲームで遊ぶとします。それが、難しすぎて何度やっても全く次のステージに進めないゲームだとしたら、おもしろいでしょうか?
実際には2、3度失敗して、要領をつかめば何とか次のステージに進める。そんな「ギリギリの難易度」のゲームが、最も楽しいはず。実は人間の脳というのは、「自分の能力よりも少し難しい課題」に挑んでいるときに、ドーパミンという脳内物質が出て、最も活性化します。このことを踏まえて、本を読む場合は、2つの難易度を設定しましょう。
まずは、「本の内容」について。自分の実力よりも少しだけ難しい本を選ぶと、学びの効果が最大化します。次に、「本を読むスピード」。小説であれば、最も心地良いスピードで、楽しみながら読み、ビジネス書や実用書であれば、適度にタイムプレッシャーをかけて、「ギリギリ」の難易度に調整するといいでしょう。
03.
「ワクワク」しながら読むと
30年後も鮮明に記憶していられる
以前仲間4人で飲んでいたとき、『北斗の拳』の話になり、物凄く盛り上がりました。全員が自分の好きなキャラや好きな場面などを、雄弁に語るのです。50歳前後の大人たちが。
ビジネス書の場合は、1年前に読んだ本の内容ですらおぼろげなのに、漫画だと、30年前に読んだものでも、数十巻分の内容を全て鮮明に覚えているものです。さて、この違いは、どこにあるのでしょう?
それは、好きな漫画を読むときは「ワクワクする」からです。脳内にドーパミンが分泌されると満足感、充実感、幸福感に包まれ、もう一度それを体験したくなり、同じものを欲求するようになります。漫画であれば、「次号が読みたい!」と思ってしまうように。ドーパミンの記憶力増強効果を利用して、ワクワクしながら読書すると、30年たっても忘れないほど、しっかりと記憶できるのです!
04.
ビビッときたら
“ときめき”が消えないうちに
どんどん読む
書店でふと目に入ったタイトルに惹かれ、「この本おもしろそう!」と本を購入したあなた。しかし、1週間たってもまだ本を開かず、結局「まあ、いいか」と、読んでいない。そんな経験ありませんか?買った瞬間は、興味、関心、好奇心が高まり、ワクワクした気持ちでいるはず。ですが、仕事に追われていた、やることがいっぱいで時間が作れなかったなど、改めて読もうと思っているうちに、ワクワクする気持ちがもう冷めてしまったのです。
この場合、「おもしろそう!」と思って本を買ったなら、買った直後からすぐに読み始めること。そうすると、ドーパミンが分泌された状態で本を読み切ることができるので、強烈に記憶に残すことができます。「とりあえず本だけ買っておいて、暇ができたら読もう」。そういう読み方では、記憶に残らないのです。
『読んだら忘れない読書術』
コンテンツ提供元:サンマーク出版
精神科医、作家。札幌医科大学医学部卒。大学病院、総合病院、単科精神病院など北海道内の8病院に勤務。米国シカゴのイリノイ大学に3年間留学。うつ病、自殺についての研究に従事。帰国後、東京にて樺沢心理学研究所を設立。メールマガジン、Twitter、Facebookなど、累計40万人以上のインターネット媒体を駆使し、精神医学、心理学、脳科学の知識、情報をわかりやすく発信している。