【読んでもらいたい vol.1】手紙のような物語『文鳥文庫』
その佇まいは、大切な人から届いた手紙のようです。手紙というのは、書いた人の気持ちが込められたものであり、人を喜ばせる魔法の力を持っています。あの名作文学をこんなふうに読んでみると、きっと新しい発見があるはずです。折りたたまれたひとつの物語を、ゆったりとした気持ちで味わいましょう。
心あたたまる名作文学を、
ひとつずつパッケージしました。
文鳥文庫は、名作文学をひとつずつパッケージした、手紙のような小説です。長くても16ページしかありません。わたしが受け取った手紙は「メロスは激怒した。」という書き出しから始まっていました。そこには、人を信じることの大切さについて、たとえば、信じられているからこそ、その想いを糧に前へ進むことができるのだと書いてありました。
友人が受け取った手紙には、寒い冬の夜、あたたかい手袋を求める狐の親子のことが書かれていました。今の季節にぴったりの、心に灯がともるような物語でした。
そのほかにも、読んだ人の心の奥深くに沁み入る物語がいくつも揃っています。そのときの気分で選んでも良いですし、大切なあの人を思い浮かべながら選ぶのも楽しみのひとつでしょう。毛並みは、ツヤツヤと美しく、撫でるとふわふわ。手のひらに乗って甘えてくる手乗り文鳥のように、ひとつのちいさないのちを温めて読んでみましょう。