「社交不安障害」に関する最新の研究結果。IQが高く、人の痛みに敏感!?
「社交不安障害」とは、自身への否定的な評価に強い不安を感じてしまう精神疾患の一つ。かつては「社会不安障害」と呼ばれていましたが、2008年により実態に近い現在の名称に変更されたようです。
そんな症状に苦しむ人々には、いくつかの共通点があることがわかりました。アメリカの現状と3つの大学による研究結果をまとめた「Higher Perspective」の記事を紹介します。
精神疾患の中でもとりわけ不安障害は、アメリカで最も一般的な病気だ。人口の18%にあたる4,000万人もの成人がこの病気で苦しんでおり、特に社交不安障害については人口の約7%、およそ1,500万人が患っているとされている。なぜこれほど多くの人が不安障害で苦しんでいるのかを掘り下げると、そこにはうなずくべき理由がある。
アメリカ社会は偏見や先入観で満ちている。肌の色や性的関心、確定申告の税区分ですら周囲と異なれば社会から受け入れられるのは難しい。だからこそ、国民が広く不安を感じているのだ。
それにもかかわらず、カナダのレイクヘッド大学が、「社交不安障害には驚くべきポジティブな側面がある」という興味深い研究結果を報告した。研究チームによると、社交不安障害を持つ人は、言語知能テストにおいて社交不安障害がない人よりも高い点数をとったという。
加えて、ニューヨーク州立大学ダウンステート・メディカル・センターの研究で、「深刻な社交不安障害を抱える人は、そうでない人に比べIQが高いこと」が判明した。
“気づいてしまうこと”が
自分を苦しめることに・・・
さらに、イスラエルのハイファ大学心理学部が発表した研究結果も興味深い。実は、彼らには「高い思考能力と感情移入能力」があることが分かったのだ。加えて、深刻な不安障害で苦しんでいる人は社会性が高く、他人の心理状態に敏感で注意深いことも判明。彼らの症状は、他人の気持ちが分かりすぎてしまうところに起因しているのかもしれない。
「知らぬが仏」とはよく言われるが、ある意味、“気づいてしまうこと”は一種の拷問かもしれない。周りの人に対して感受性が強くなると、それが心配の種になり、不安として現れてしまう恐れがある。ただし、不安障害に苦しむ人はこうは思わないかもしれないが、「他人の気持ちが分かること」は一つの才能だ。
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