キノコがうつ病のリスクを下げる可能性【研究結果】

やはり、キノコは何がしかのパワーを秘めた食材のようだ。

学術誌「Journal of Affective Disorders」に掲載されたペンシルベニア州立大学の研究チームによる新しい研究によると、キノコ類を食べる人は、うつ病を経験するリスクが低くなる可能性があるという。

キノコの成分が、進行がん患者の抑うつや不安といった症状の軽減に有効であるというニュースが報じられたのは、たしか2016年ごろと記憶しているが、過去に食用キノコの摂取量とうつ病発症リスクの関連性を調べた研究はほどんどないそう(あったとしても被験者100人以下の小規模臨床実験)。

対してこの度の研究調査においては、うつ病を軽減する手段として、キノコ類を積極的に摂取することの重要性が説かれているなど、一歩踏み込んだ内容だ。

一概に「キノコを食べればハッピー」という話ではない。だとしても最新この研究、参加者の数と調査期間の長さが、なにより説得力を増す材料に思えてならない。

参加者:2万4699人(アメリカ在住の成人)
調査期間:2005年〜2016年

米保険福祉省による「全国健康栄養調査」のデータをもとに分析をしていった結果、普段からキノコをよく食べている人は、食べてない人と比べうつ病の発症率が半減していることが判明。一方で消費量が高すぎても効果が高まることはなく、一定量の摂取が望ましいことも明らかに。

研究者らによれば、キノコに含まれる抗酸化物質「エルゴチオネイン」には、体内の細胞や組織の損傷を防ぐ作用があるようで、統合失調症や躁うつといった精神疾患の予防に役立つんだそう。

このエルゴチオネイン、ヒトの体では合成できない抗炎症物質のあるアミノ酸らしく、「酸化ストレスのリスク低減、うつ病の予防や症状軽減に大きな可能性を秘めています」とは主任研究員Djibril Baの弁。

ちなみに、全米でもっとも食されているホワイトマッシュルームには、不安を軽減するとされる「カリウム」が含まれている。

抗酸化作用や血流改善、内臓脂肪にも働きかけるなど、キノコ類のメリットが謳われてきたが、どうやら心の健康にも一役買ってくれることは確かなようだ。

気になる方は、菌活に取り入れてみては?

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