【電力不要】海水を飲料水に変える!家庭用「淡水化装置」がオシャレ
一家に一台。安くて簡単に使える、そんな淡水化装置のデザインが話題です。
「Eliodomestico」は、海水を釜に入れて1日放置しておくだけで、飲める水をつくってくれます。電力など、機材を稼働させるためのエネルギーは一切必要ありません。
仕組みはとてもシンプルで、黒い蓋が太陽光で熱くなり、容器の中の気温が上がることで水が蒸発。器の中に蒸気が貯まっていきます。
集まった蒸気は、高まった圧力の力でパイプを通り、下部のもうひとつの釜へと運ばれる構造です。1日待ったら、あとは貯まった水を器ごと取り出すだけ。
エネルギーコスト“ゼロ”
これまでに開発されていた海水淡水化装置にも、海水を加熱して蒸発させる同じ機能がありましたが、エネルギーコストがとても高かったのが難点。
しかし、この釜なら1つ50ドルの出費で、半永久的に飲み水をつくることができます。1日に抽出できる純水は5リットル。水不足に悩む途上国の家庭にとっては飲料水確保のための貴重なツールとなりそうです。
Fast Companyではデザインをした「Gabriele Diamanti」氏のこんなコメントが。
「どれもこれも自分のアイデアではない。旅をしたり、NGOの団体に関わってきた中で聞いてきた多くの人の意見を元に考案したものだ。出来る限り、ユーザーにとってわかりやすくてフレンドリーなデザインにしたかった」
このデザインは、エルメス財団(フランス)主催のプロダクトコンペ、「Prix Emile Hermès competition 2011」にて、ファイナリストに残ったもの。その他にも、「Well-Tech Award 2012」や「Core77 Design Awards 2012」のソーシャル・インパクト部門など様々な賞を受賞しています。
オープンソースのプロジェクトとして公開されていますが、今のところ製品化には繋がっていないようです。
とは言え、低価格で簡単に扱えるその機能性には要注目。普及すれば多くの人々の生活や健康の助けとなりそうですね。
Licensed material used with permission by Gabriele Diamanti