サンタモニカの海に浮かぶ「筒」が、45億リットルの飲料水を生む!?
いま世界のいたるところで深刻な「水不足」が問題になっています。
米・カリフォルニア州では大規模な干ばつが続き、地下水や貯水池の水が干上がり、危機的な状況に。住民は高いお金を払って水を買い、農作物にも大きな影響が出ているそうです。なかには水不足が原因で、住み慣れた土地を離れる人までいるほど。
そんななか、サンタモニカの洋上で海水を飲料水に変えるプロジェクトの一部を紹介しましょう。
洋上に浮かぶ芸術作品か
この海面に浮かぶ筒状のものはなにかというと「2016ランド・アート・ジェネレーター・イニシアチブ」という、公的な場所に再生可能なエネルギーインフラを生み出すアートコンペティションに提案されたアイデアのひとつ。
コンセプトデザインではあるものの、担当した「ハリーリ・コンサルタント・エンジニア」という企業は、芸術的、技術的、建築的な3つの意味で評価されているそう。
海水から年間45億リットルの
飲料水をつくる
パイプの外壁にある太陽光パネルで作られた電力は、ポンプを使って海水を引き揚げるのにつかわれています。そして電磁気によって海水から塩分を分離、年間約45億リットルの飲料水を生み出し、街に届ける想定だそうです。
海水を飲料水に変える技術は今までもありましたが、コストパフォーマンスなどが合わず、非現実的とされてきました。しかし、カリフォルニアの日照をうまく利用した太陽光パネルをつかうことで、コスト面の課題をクリアできる可能性が高くなるとか。
観光地としての機能も
さらにこのパイプは中に入ることができ、訪れた人がくつろぎながら、サンタモニカの美しい街を洋上から眺めることも想定されています。
もしも実現したら、水不足の解決だけではなく、サンタモニカの新たな観光名所としても訪れた人を楽しませてくれる存在になりそうですね。
Licensed material used with permission by Khalili Engineers