サーバーの余剰熱を使って「お風呂」。そんな未来も遠くなさそう(オランダ)
夏になると、コンピューターの排熱がかなり気になってきます。「暑いし、熱い…」。大量のコンピューターが同じ部屋に入っているサーバールームならなおさら。
せっかく熱が出ているのだから、何かに利用できないのか? ということで「この熱をつかって、家庭のお湯を沸かそう」と考えた企業がありました。
オランダ発
一石三鳥なエコ発明
サーバーの排熱を利用した家庭用ヒーターシステムを考案したのは、オランダの「Nerdalize」という企業。
家庭用のパソコンですら、長時間使っていると部屋の温度を上昇させるくらいの余剰熱を感じます。これまでも、何万台ものデータサーバーを稼働させるデータセンターは、その余剰熱を発散するためにいろいろな方法を考えてきました。
大規模なものだと、北極近くの施設で潜水艦を使って冷却する方法さえあるそうなのですが、これはさすがに自然環境に負担がかかりすぎ。そう考えた彼らは、各家庭で余剰熱をヒーターとして再利用するサービスを開始したのです。
余情熱が
「湯沸かし」になる!?
通常、サーバーは1箇所のサーバールームに集められるのですが、「Nerdalize」はそれを分散させ、ケースに入れて各家庭に設置する方法をとっているそう。
1台のサーバーから発せられる余剰熱を、約1,000wのヒーターとして利用することができ、これはよくある家庭用ヒーターほどの熱量に相当します。
サーバーを設置するのに、初期費用として400〜500ユーロ(5〜6万円ほど)が必要になりますが、その後の使用料はずっと無料。年間にすると、約300ユーロ(約3万5,000円)の電気代を節約することができる見込みなのだとか。
一般家庭にサーバーを置く危険性や緊急時の対応など、まだまだ解決すべき問題は残っていますが、「Nerdalize」は調整を重ね、今年の8月には湯沸かしシステムとしてオランダの42世帯にサーバーを設置する予定。
企業にとっても一般家庭にとっても環境に優しい「一石三鳥」のアイデア。オランダから世界に広がっていくかどうか、楽しみです。