若者の美術館デビューは小学生が最多。国立アートリサーチセンターが意識調査の結果を公開
独立行政法人国立美術館の国立アートリサーチセンター（NCAR）が、2つの美術館に関する意識調査の結果を公開した。
2015年から続く調査に加え、2024年度は新たに15〜25歳を対象とした調査も実施。若年層とアートの関わり方について、興味深いデータとなっている。
若年層に焦点を当てた新規調査
NCARは、関東・関西の20代から70代を対象に美術館の利用実態などを探る『美術館に関する意識調査』を継続的に実施している。
2024年度の調査結果は2025年6月30日に公開されたとのこと。
これに加えて、今回は15〜25歳の高校生以上を対象とした単発調査として、『若年層における美術館やアート全般に対する意識調査』を新たに実施。
こちらの結果抜粋は2025年7月31日に公開される予定だという。この調査では、若者の価値観や行動に焦点を当て、初めて美術館を訪れた際の状況やアートへの関心度などが調査された。
初めての美術館は「家族と小学生の時」
公開された『若年層における美術館やアート全般に対する意識調査』の結果の一部によると、初めて美術館に来館した年齢は「6～12歳」が38.1%で最も高い割合を占めた。
次いで「分からない・覚えていない」が23.2%、「13～15歳」が13.8%と続く。
また、初来館のきっかけとしては、「家族や親に連れられて行った」が52.4%で半数以上を占める結果に。「学校の授業や課外学習で行った」が18.6%でこれに続いた。
アートへの関心度は二極化か
美術やアートへの興味・関心についての設問では、「当てはまるものはない」と回答した層が57.3%と最も多かった。
一方で、「美術作品やアート作品を鑑賞することが好きだ」が14.1%、「好きな美術作品・アート作品がある」が13.3%、「何かを描いたり作ったりすることが好きだ」が13.1％という結果も出ている。
NCARはこれらの調査結果を公式ウェブサイトで公開し、美術館関係者をはじめとする多くの人々への活用を促している。
2024年度「美術館に関する意識調査」
「若年層における美術館やアート全般に対する意識調査」概要
調査方法
インターネット調査（民間調査会社の保有するアンケート調査モニターを利用）
調査エリア
関東1都3県（東京、千葉、神奈川、埼玉）
関西2府4県（滋賀、京都、奈良、大阪、兵庫、和歌山）
調査名称
美術館に関する意識調査
若年層における美術館や
アート全般に対する意識調査
調査対象
20～79歳男女
（スクリーニング調査：8,000サンプル、本調査：1,000サンプル／各エリア）
15～25歳男女1,800人（高校生以上）
※「美術館に関する意識調査」の回答者除外
調査期間
・スクリーニング：2024年10月3日（木）～10月8日（火）
・本調査：2024年10月10日（木）～10月15日（火）
本調査：2024年8月5日（月）～8月8日（木）
※スクリーニング調査なし
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