品川・原美術館の“必食”ケーキ。「カフェ ダール」の食べるアート

イメージケーキ、をご存知だろうか。

思わず写真を撮りたくなる独創的なビジュアルのそれは、東京・品川の原美術館にある「カフェ ダール」で提供されている。

イメージケーキって?

5766805511471104
©2018 相原舜
ウィリアム J. オブライエン「無題」2007年 © William J. O’BRIEN

このカフェでは、美術館で開催されている展覧会の作品やその一部、また、展覧会そのもののイメージを、ケーキとして表現している。

取材時のイメージケーキは88作目のもので、そのときに開催されていた「現代美術に魅せられて — 原俊夫による原美術館コレクション展」に展示されていたウィリアム J. オブライエンの作品を模したものだ。

5998025478504448
©2018 相原舜

チョコレートムースに、フランボワーズのソースが爽やかに絡む。ミニシューも口当たりが軽く、アプリコットの酸味とのバランスが絶妙。

イメージケーキは
謎解きのようでもある

イメージケーキの制作が始まったのは、90年代の初め頃。当時は定例化していたわけではなく、不定期に提供していたイメージケーキが好評を得て、現在のように展覧会ごとにケーキが作られるようになったという。今では、このケーキを楽しみに原美術館に通う人もいる。

現在のシェフは、もう20年近くもイメージケーキをはじめとするカフェのメニューを担当している。展覧会の前になると資料を読み込み、構想を練っている。モチーフがアート作品となると複雑な意匠のものも多く、時には型作りから行う。そんなアート作品を「スイーツ」という新たなアートのかたちに築き上げるシェフの技巧と手腕には、ため息が出る。

5795884184895488
写真提供:原美術館

「ヘンリー・ダーガー —夢の楽園—」のイメージケーキは、世界観をそのままに、食用の花を使用して作られた。

4738137355976704
写真提供:原美術館

「蜷川実花 :Self-image」のイメージケーキは、展覧会のフライヤーに掲載されていた薔薇の作品をモチーフにしたもの。シャーベットで作られた薔薇は溶けるとソースになる、という儚さにもぐっとくる。

4760619630723072
写真提供:原美術館

驚いたのは「杉本博司 ハダカから被服へ」のイメージケーキ。

一見ふわっとしたヴェールのようなものが被せてあるのだが、「脱がせてみてもいいかもしれません」とヒントを与えてサーブするという、カフェスタッフの粋な計らいも。

5813402551189504
写真提供:原美術館

これらのイメージケーキのように、どの作家の展覧会かどの作品がモチーフかわかりやすいものもあれば、まるで謎解きのようなイメージケーキもある。

5634108201893888
写真提供:原美術館

たとえば、「ジム ランビー:アンノウン プレジャーズ」のケーキは、展示作品のディテールを切り取ったもので、天井からぶら下がるオブジェにコラージュされていた雑誌の切り抜きの目をイメージケーキとして採用したという。

カフェと展示の往復で
「答え合わせ」

6110174590795776
©2018 相原舜

「カフェ ダール」は原美術館の中にあるため、展示会場への再入場の必要がない。だから、イメージケーキを食べたあとに、なにがモチーフだったのか答え合わせをしに改めて展示を見てみるのも面白い。

展示を見てすぐに帰るだけではなく、季節に合わせた味覚も視覚も美味しいスイーツから、いつもと違った視点を借りて作品を楽しんでみてほしい。

手入れの行き届いた中庭を眺め、イメージケーキに舌鼓を打ちながら、新たなアート体験ができるはずだ。

「カフェ ダール」

住所:東京都品川区北品川4-7-25(原美術館内 ※カフェのみ利用の場合も要入館料)
TEL:03-5423-1609
営業時間:11:00〜17:00(LO 16:30)、水曜のみ11:00〜20:00(LO 19:30 ※祝日を除く)
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)、原美術館の休館期間
公式HP:http://www.haramuseum.or.jp/

Top photo: © 2018 相原舜
取材協力:品川区
お腹グーグー、品川ゴーゴー
ビジネス街であり、古き良き商店街もあり、洒落たベイエリアもあり、新幹線や飛行機で移動するときのハブでもあり、古くは東海道品川宿として旅の要地でもある「東京...
「KAIDO books & coffee」は、旧東海道品川宿地区の北品川商店街にあるブックカフェ。今も昔も「旅」の玄関口である品川らしく、2階席には旅を...
仕事を頑張る場所として、もしくは子育てを頑張る場所として。「品川区」を生活の拠点にしている人にとっては、自分を元気にしてくれる「きっかけ」がとても大事。そ...
戸越銀座商店街や青物横丁商店街などがあり、何かと街ブラが楽しめる街、東京・品川区。がっつりランチやディナーを楽しむのもいいけど、ここでは「TO GO」(テ...
10月11日に東京地下鉄株式会社(東京メトロ)が丸ノ内線の新型車両「2000系」をお披露目しました。
若者たちで連日賑わう遊び場「Szimpla Kert(シンプルケルト)」は、ジドー・ネジェドというユダヤ人街にある廃墟バー。廃墟となって放置されていた集合...
東京都品川区には、企業が運営する希少な商品や、ちょっと変わったものが並ぶミュージアムがあります。「建築倉庫ミュージアム」「自転車文化センター」「ソニー歴史...
東京・品川での食事と聞くと、ビジネス街のイメージが強いので、ラーメンや働く人たちのサク飯を思い浮かべがち。でも、羽田空港や新幹線などの交通の要所なので、ち...
疲れや悩みを取り払って、リラックスしたい日もありますよね。そういう時は、温泉にザブーンと入ってみるのも良い方法のひとつだと思うんです。ここでは疲れも悩みも...
徳川家康をはじめ、歴代将軍たちに愛された城南五山のひとつ「品川・御殿山(ごてんやま)」。御殿山庭園に隣接する「東京マリオットホテル」では、四季折々の自然を...
スウェーデンの決済プロバイダー「Klarna」が、自社のプロモーションも兼ねて粋な方法で万引防止に乗り出した!動画には商品を持ったままポカ〜ンとする犯人の姿も。
ノスタルジックな空気と現代の洗練された雰囲気が溶け合う、東京・品川「西小山」。そんな街角に漂ってくるバターの豊かな香りのもとは、焼き菓子専門店「cuiss...
エネルギッシュな街には、うまいラーメン屋が多い。ビジネスと交通の中心地「品川」もそんな街のひとつだと思う。昼も夜も、多くの人が行き交うこの街で、それぞれ五...
東京・品川のベイサイドにある「T.Y.HARBOR」は、老舗のクラフトビール醸造所に併設されたブルワリーレストラン。人気のクラフトビールは、苦味がなくてス...
競馬についての知識はダビスタと、ゆうきまさみ先生の漫画くらいのものだし、小説『優駿』は途中で挫折した。そんな僕に、友人がこんなことを教えてくれた。最近は品...
渋谷・道玄坂のクラブ「VISION」で秋の夜長を楽しむ女の子をスナップ&セルフィー。アンケートへの名解答&珍解答にも注目!
東京・品川の武蔵小山でジャマイカのソウルフード「ジャークチキン」を食べてきました。東急目黒線、武蔵小山駅の東口にあるパルム商店街の路地裏に佇んでいるのが、...
カナダのパティスリー〈Finespuncakes〉では、独創的なケーキを次々製作。自宅で真似できそうにはないけれど、こんなケーキに憧れます。
オシャレなカフェが立ち並ぶ街、台北。でも、実際どこに行けばいいのかわからないもの。今日は最近、台北で人気の“ドライフラワーカフェ”をご紹介。ガイドブックと...
東急大井町線、荏原町駅。駅を出るとすぐ「荏原町商店街」があり、少しだけ昭和にタイムスリップした気分になります。そんな荏原町商店街から1本入った住宅街にある...
いま、「世界最高」の名を欲しいままにするケーキがあるのを知ってますか?
台湾のポピュラーな土産、鳳梨酥(フォンリンスー)。日本語では「パイナップルケーキ」と呼ばれているものの、多くはパイナップルが使われておらず、冬瓜が使われて...
約50年前、ドイツ人のシェフとともに日本人好みのチーズケーキを開発したパティシエのお店「ガトーフリアン」は、異国情緒ただよう長崎県は南島原市にありました。
8月11日にオープンした複合スポーツエンターテイメント施設「スポル品川大井町」。新宿や渋谷からでも電車で30分とかからないくらいの場所にあります。