スラム街の子どもたちを「スナック菓子」で救う方法って?
フィリピンの首都マニラには、世界で最も劣悪な環境ともいわれるスモーキーマウンテンがある。
約3年前、ここで暮らしていた3000世帯、15000人が立ち退き令によって、1時間半ほど離れた農村地区に移住してきた。だが新たな問題に直面しているという。
ほとんどの子どもたちが
栄養失調に悩まされている
以前とは違い、住む環境はよくなった。とはいえ、廃品回収して生計を立てる貧民(スカベンジャー)だった彼らは、農村に来ても仕事がなく、生活の苦しさに拍車がかかるばかり。飢餓や栄養失調に陥るという問題を抱えている。
ゴミに囲まれて暮らしてきた彼らは、もともと野菜を食べる習慣がない。そのため、バランスのとれた食事の重要性を理解している人は皆無だという。
栄養失調の兆候がよくみられるのは成長期の子どもの身長。例えばフィリピンの12歳の子の平均身長は155cmだが、126cmしか身長がない女の子がこの居住区にいる。平均身長でも144cmと基準を大きく下回っている。
この状況をなんとかしようと立ち上がったのが、NPO法人カマルフリーダ代表の西村祐子さん。開発途上国の人々に経済的な自立を促すための手助けをしている。
「野菜」で収入源を作り
負のスパイラルを断ち切る
まず着目したのが、家庭菜園。日常的に野菜を食べることで、栄養補給できるのではないか、と考えたという。だが、目標はそれだけではない。
「収穫した野菜の何割かをスナック菓子として加工・販売することで現金収入が得られます。生活が成り立たず、また元のスラム街暮らしに戻ってしまうといった、負の連鎖を断ち切ることができるのです」と、西村さんは語る。
400〜500世帯を対象に
野菜の栽培とスナックづくりを指導
ただ、「野菜を作ろう!」といっても、彼らには野菜を作る知識はゼロ。カマルフリーダのメンバーが中心となって、まずは400~500世帯を対象に指導を進める。
このプロジェクトを成功させるには、「いかに家族全員を巻き込むか」がポイントになる。例えば自分の子どもが野菜作りに関わると、親も家庭菜園に興味を持ち始める。それをきっかけに、野菜の育て方や土壌や、有機肥料とそれに適した野菜は何なのかまで詳しく教えていくという。
スナックは、野菜をはじめ、新鮮なバナナやパパイヤ、マンゴーで作る。半年間で、スナックづくりを覚えてもらい、各家庭が自立して稼いでいける第一歩を踏み出す流れを作っていく。
現在、このプロジェクトを進めるための資金をクラウドファウンディングサイト「READYFOR」のコチラのページで募っています。ぜひ協力をお願いしたい。
コンテンツ提供元:READYFOR